立位評価と歩行評価の違い
【静的アライメントと動的アライメントは一致しない?】
骨盤の向きなど立位で評価をします。
どちらのASIS(上前腸骨棘)が前にあるのか、
どちらの寛骨が前傾なのか、後傾なのか。
で、なぜ評価をするのか?
痛みのある方だったら、その痛みはなぜそこに出現しているのかを知るため。
パフォーマンスアップをのぞむ方だったら、何が要因でパフォーマンスアップの邪魔になっているのかを知るため。
これらのために、評価をするのかなと思います。
マッサージをしていて、硬い部分を見つけてそこを徹底的にマッサージするという工程に、
なぜこの部分が硬くなるんだろう? という疑問を入れるわけです。
そして、立って生活する、座って生活する僕たちは、その姿勢のどこかにその原因が隠れているはず。
その原因を探るために、骨盤がこうなっている、ああなっているを触診で調べます。
そうなっていると、この組織は固まる、ゆるむなどを自分がもっている解剖学、運動学の知識をつかってつなげるのが評価するってことです。
で、僕たちはその評価の中で、静的なアライメント評価(立位や座位)だけでなく、歩行評価も行います。
なぜかというと、じっとしていて痛くないけど、歩くと痛いなど、動作が入ることで痛みが出る人が多いから。
そしてここがポイントで、
止まって行う静的なアライメント評価と、歩行評価では違う現象が起きることがあるという事です。
考えていただければ当たり前なんですが、
片足の状態になるのが歩行です。
そして、重心の移動があるのが歩行です。
これらは、両足が着いた状態の立位のアライメントではわからない動きが出るわけです。
なので、歩行評価までする意味があるという事です。
例えば、上半身の重心は両足で立っているときに、支持基底面の中に納まっていたとしても、
歩き出して、片足立ちの際に支持基底面から出ていこうとするかもしれません。
それに伴って、骨盤の高低差や、回旋などはいくらでも変化しうるという事です。
なので、立位の静的アライメントを評価した際の骨盤の位置と、歩行時の骨盤の動きは必ずしも一致することもないし、する必要もないわけです。
評価は間違いなく必要。
それが合っているか、間違っているかが分からなくなるので。
でも、思い込みの評価は不必要。
大切な部分が見えなくなることがあるから。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛