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歩行時の膝関節

膝関節ラテラルスラストと歩行

【ラテラルスラストとは?】

ラテラルスラスト

 

歩行時、立脚相で膝関節が、

 

前額面上で外方へ移動する動きを見たことはありませんか?

 

それが「lateral thrust(ラテラルスラスト)」で、外側動揺や横ブレと言われるものです。

 

外側に突き出る動きといったところでしょうか(以下スラストと呼ぶ)。

 

多くの文献などで紹介されているこのスラスト。

 

今日は歩行時になぜスラストが起きるのか?

 

ひとつの理由をお話しさせていただきます。

 

まず、膝関節が外にぶれるという動き。

 

実際の歩行では、片足が地面に着いて離れるまでが、ものすごくゆっくりに行われるものではないので、

 

スラストは一瞬、もしくは速い速度で起きるものだと言えます。

 

もし、じわじわとゆっくりおきるとするのなら

 

荷重をすることでスラストはおきるので、

 

相当ゆっくり歩いているし、その筋力があるということでしょう。

 

 

さて、ここでポイントですが

 

ポイントは「荷重」だということ

荷重時にスラストが起きるという事は、荷重に関係する要素がスラストを引き起こしているという事になります。

 

例えば、足部は関係するのでしょうか?

 

足部は、ICで踵から地面に着いて、その後LRで足底全体が接地します。

(IC・LRから学び直す方はこちら↓)

IC(イニシャルコンタクト)を紐解く

LR(ローディングレスポンス)を紐解く

 

スラストは、この足底全体が接地して、そこからMStで荷重がかかってくる際に起きることが多いです。

(足部の問題によってはもっと後半に起きる場合もあります。また別で説明します。)

(MStを学び直す方はこちら↓)

MSt(ミッドスタンス)を紐解く①

MSt(ミッドスタンス)を紐解く②

 

この時に足部は一体どうなるのでしょうか?

 

CKCでの距骨下関節のイメージ でも説明していますが、

 

踵骨が地面に着き、足底全体が着き、距骨を介して荷重が足部全体へ伝わる。

 

基本的にはこの時、踵骨は荷重とともに回内し、その上にある距骨は内旋・底屈をします。

 

内旋・底屈した距骨の上を下腿は同じように内旋、前傾していくという事です。

 

まずこの動きが理解できているかがスラストを知るのに大切なのではないでしょうか。

 

最初にも言いましたが、スラストは膝関節が外方へ横ブレする動きです。

 

膝関節が前額面上外方へ動くという事は、下腿は外方へ傾斜しているという事になります。

 

もし、地面に固定された木の棒を外方へ一気に持っていったらどうなるのでしょう?

 

枯れた木なら、ポキッと折れるでしょう。

 

若い木なら、ぐにゃっと曲がるでしょう。

 

じゃあ、同様なことが下腿で起こるのでしょうか?

 

固定された足底に対して、下腿自体がポキッと、もしくはぐにゃっと曲がらないことは想像ができるかと思います。

ということは、先ほど話した足部が何らかの問題を引き起こしているとしか言えないわけです。

(股関節の問題や、上半身の質量の問題はまたお話しします)

 

足部は骨の数が多いからこそ、荷重を分散しどのようにも変化できてしまうのかもしれません。

 

もう一度足部の問題で起こりえるスラストを考えてみましょう。

 

MSt時に、踵骨回内、距骨内旋・底屈、下腿内旋・前傾が起きる。

 

図でいうとこうなります↓

 

<CKCでの踵骨・距骨・下腿>

 

これ、、、「下腿をまっすぐに固定した場合の足部」、という感じではないですか?

 

では、踵骨を床に対してまっすぐに置いたらどうでしょう?

 

<踵骨を床に対してまっすぐに置いた場合>

ラテラルスラスト

 

これ、、、スラストじゃないですか?

 

この図だと、相当な傾きになりますが、この度合いが強いか弱いかですよね?

 

そうなんです、スラストは膝が勝手に外側に移動するのではなくて、例えば一つの原因として

 

「足部の過回内」、踵骨回内、距骨内旋・底屈、それに伴う下腿の動きで行われるんです。

 

途中でもお話ししましたが、上半身の質量がそれを助長する場合もありますし、股関節の問題、

 

足部のその他の問題もあります。

 

例えばスラストのタイミングが違うように見える理由は、この理由だけではないからです。

 

左右スラストがある患者さんがいて、それでも左右差がある場合は、それはスラストの原因が違うから。

 

まずは、基本のこの理由を覚えることからスタートするのがおススメです。

 

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