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歩行時の足部

【初回足関節捻挫とアスリハについて】

【初回足関節捻挫とアスリハについて】

 

今回は初回足関節捻挫とアスリハについてです。

 

まず最初に初回足関節捻挫についてお話させていただきます。

 

初回の足関節捻挫はとても腫れる方が多く、歩行困難になる患者さんも多くいらっしゃるかと思います。

 

足を引きずりながら来院される方が多いのではないでしょうか。

 

また、初回捻挫のリハビリの内容次第で繰り返し捻挫をするかどうかが決まります。

 

それだけ大事なのです。

 

何回も捻挫したことある。という方は、そういう事だと思います。

 

距腿関節の背屈がキレイに入るようになり、足部周囲、骨盤や体幹の筋力が機能回復していくことで再発は予防出来ると考えております。

背屈がキレイというのは、距腿関節の転がりと滑りが正常ということです。

背屈時にガストロに伸張感があるといいかと思います。

それの反対で、足関節前方につまり感を感じる方は距腿関節の転がりと滑りが正常ではないと言うことです。

 

転がりと滑りについてはこちらをクリック

 

私達の考えは、『早期復帰とケガする前より強い体にする』です。

 

早期復帰は靱帯の治癒過程を元に考えて治療やアスリハを行っていきます。

 

炎症期

増殖期

再形成期

 

と分け、その時期に合わせた治療を行っていきます。

その時期とアスリハを細かくお話していきます。

 

炎症期

 受傷後~2、3日

 コラーゲン組織の損傷、腫れが出現、低酸素状態になりマクロファージが活性化

 ここでは積極的に安静や炎症を抑えることが重要となります。

 

 増殖期

 48時間~

 マクロファージの貧食、それにより線維芽細胞増殖、血管新生開始、皮下組織の筋線維芽細胞が瘢痕組織を退縮させる

 ここではOKC開始、ROMの獲得が重要となります。

 

 再形成期

 17日から28日

 筋線維芽細胞の瘢痕退縮、瘢痕組織の減少、コラーゲン線維の分解と合成を更に素早く繰り返しどんどん正常に戻っていく

 競技復帰に向けてのトレーニング、競技特性に合った動きの再獲得が重要となります。

 

靱帯強度は受傷後3週間で約15%回復し、4週間で約50%回復する。

競技復帰トレーニング中はまだ50%しか回復していないということですね。

6週間で80%まで回復することが多いと言われています。

 

 

次に時期に合わせたアスリハについてです。

基本的に損傷度合いによりますが、靱帯に適度なストレスと伸張を与える事で靱帯強度が上がってくると言われているので、そこを重視してアスリハを行っていきます。

 

受傷後、3日目からアスリハを開始していきます。

まず最初に行うのが、タオルギャザー。

これの目的は、腫脹を抑えることです。足趾を屈曲する事によって循環を良くしていきます。

 

4日目頃から、ゴルフボールで足底をリリースしていきます。

これはレセプター刺激をして神経筋伝達の再獲得が目的です。

それと同時に、腓骨筋、前脛骨筋、後脛骨筋、座位ROM90度カーフレイズのチューブトレーニングを開始します。

足部の正常化や距腿のはまり込みが良くなるように行っていきます。

 距腿関節の転がりと滑りが再発防止にとても関係してきます。

 

 

6日目には両足でバランスディスクに乗り、荷重の正常化を獲得していきます。

 

8日目からCKCのトレーニングを開始していきます。

足関節捻挫をする側は踏み出し脚になっていることが多いので、股関節周辺のトレーニングも行っていきます。

 

踏み出し脚側の骨盤は後傾し前方に回旋していることが多く、反対側に対して股関節の伸展相が短くなります。

そうなると後ろに蹴るより、前に足を出す方が得意となり1歩の距離が身体重心から遠くなります。

その結果、踏み出し脚側はイニシャルコンタクトからローディングレスポンスにかけて前外方へのストレスが増大するため、

足部外側荷重になり内反捻挫する方が多いです。

 

 

 

歩行用語はこちらをクリック 

歩行の診方はこちらをクリック

 

 

トレーニングとしては、両足カーフレイズやスクワットを行っていき、骨盤前傾して蹴り出し脚になるように行っていきます。

 

骨盤前傾トレーニングは必ず必要だと考えています。

 

ここで重要になるのが、翌日の朝に痛みが強くなったらアスリハを一段階戻すことが早期復帰のカギとなります。

 

このようにすすめていき、14日目頃からジャンプを開始していきます。

ジャンプで痛みがなければジョグも行っていき、競技復帰トレーニングにへと移行していきます。

 

18日目頃から片足ジャンプを開始していき、それと同時にダッシュも行っていきます。

競技によってストップ動作やターントレーニングも行って、痛みを確認します。

 

21日目には競技復帰する選手もいます。この時の靱帯強度は約15%です。

15%と聞くと大丈夫なの?と思うかもしれませんが大丈夫です。

低背屈制限を出さないような内反制限テーピングを巻きながら復帰してもらうからです。

 

このテーピングは、踵骨回外か回内のどちらに誘導すると歩きやすいかをチェックした後、テーピングを巻いていく。

その方の足部アライメントに合わせてテーピングの誘導や枚数を決めていきます。

 

 

もちろん完全復帰ではなく、部分復帰です。

それもその選手の競技やポジションに合わせてお伝えしています。

『ダッシュまで出来ている状態だから○○までは出来ると思うよ。ただ、痛みが出たら無理しないでね。』

という声かけをさせてもらいます。

 

靱帯強度を上げるには、「適度な伸張とストレス」が必要不可欠になります。

 

先程も述べましたが、4週間で50%、5週間で75%と言われています。

適度な伸張とストレスを与える事で、靱帯強度も強くなり繰り返し捻挫をしない方が多いです。

 

 

初回捻挫のリハビリは非常に重要になります。

患者さんの今後の将来を左右する可能性も大いにあると考えています。

 

 

 中川裕太(なかがわゆうた)【柔道整復師】

スポーツラボ鍼整骨院滝ノ水

 

 

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