【基礎】歩行分析「足部」
【歩行分析の基礎 足部を見る】
まずは、分かりやすいところで、つま先の向きからです。
つま先が内を向いているか、外を向いているか、から診ていきましょう。
つま先が外向きか内向きかは、本来の解剖学的な話からすると、第2指が水平面上の軸となり、そこから外転位(つま先が外向いている)か、内転位(つま先が内を向いている)かになり、少しややこしくなるので、始めはもう少し簡単に考えていきたいと思います。
まずは、単純に正面から見て、つま先が外に向いているか、内を向いているかを診てみましょう。


それだけでも分かってくることがあります。
注目したいポイントは、「どこで蹴り出しているか?」です。
地面を最後に蹴り出すのは、母趾なのか?小趾なのか?これが大切です。
歩行を前から診て、地面に足が接地した際に、つま先が内を向いて着くのか、つま先が外を向いて着くのかを見極めましょう。
もし、内向きに着いたとします。
そうなると、そこから前に進んでいくわけですから、小趾側に力が抜けていくのは分かるでしょうか?手でやってみるといいかもしれません。
手を内側に向けて、前方に手を返せば、小趾が最後に離れるのと同じです。
その反対に、つま先が外を向いて着いた場合は、最後に地面から離れるのは母趾側になります。


さて、ここでとても大切なポイントがあります。
それは、「ポイント1の骨盤」の中でお話した、骨盤の動きとの関係性です。
※ポイント1の骨盤はこちら→ 【基礎】歩行分析「骨盤」
この骨盤の動きとつま先の向きには、とても深い関係性がありますが、
まずは、分かりやすいところから考えていきます。
「ポイント1の骨盤」の中では、「骨盤の左回旋が強い」というのを例に出しました。
左回旋は、歩行を正面から見ると右の骨盤が左よりも前に出て来るという事です。
このパターンの場合、足部はどうなるかというと。左回旋が強い時は、大きな確率で右足のつま先が外を向きます。
そうです、右の足部が外転位になります。
なので、右足は親指で蹴り出しやすくなります。
では左はどうでしょう?
同じように外転位の場合もあります。
ですが、大切なのは右と比べてどうなのか?という、相対的な考え方です。
右に比べると左は内転位なのか、より強い外転位なのか。
この考え方が大切です。
もし、この相対的にどうなのか、という見方をしないなら「どちらも外転位」となってしまいます。
そうなると、「左は右より内転位」などの考えが、かき消されてしまうんです。
ここで評価の間違いが起こります。
これを無くさないといけません。
これでは多くの症状が見過ごされてしまいます。
なので、最初の一往復でポイント①の骨盤を診ました、次の一往復で足部の内外転を診てください。
どちらの方がより内外転しているのか、左右でどちらもではなくて、右に比べてどうなのか、左に比べてどうなのか、ここまで診てください。
最初は解らなくてもいいんです。
大切なのは、仮説です。
ここで仮説を立てて進むんです。
そこで「うんうん、骨盤は右が前の左回旋だから、そうか足部は右が外転位かな?うん、そうだな。」
となれば、もう「運動連鎖」を診られていることになるんです。
これを知っているのと、知らないのでは大きく違います。
先生、少しずつ連動している体が解ってきていますよ。
これだけでも、歩いている人に対して、「右足は最後地面を親指でけっていますよね?左足は最後地面を小指でけっていますよね?」と話ができます。
患者さんとコミュニケーションをとる上でもこの話ができることは非常に大切で、
「はい、そうです!」と、相手は解ってもらっている、という感じが出てきます。
これは、患者さんとの間に必要な信頼感の一つです。
さて、
この足部の内外転はとても大きく変位している人は、わかりやすいです。
しかし、徐々に小さい変位も見抜いていかないといけません。
そうすると、どんどん細かい動きが分かるようになり、周りの先生には分からないような細かい動きが診えるようになってきます。
そうなるためにも、まずはとことんやってみることが何事も大切です。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛