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歩行時の骨盤・股関節

歩行周期のTSt(ターミナルスタンス)を紐解く

 

【ランチョロスアミーゴ方式:TSt(ターミナルスタンス)】

TSt(ターミナルスタンス)

ランチョロスアミーゴ TSt(ターミナルスタンス)

始まり・・・対象側の踵が床から離れた瞬間
終わり・・・反対側のIC

このサイトでは、TSt時に何を診ることが大切で、どんなアプローチをすると良いのかを書いていこうと思います。

 

 

IC(イニシャルコンタクト)からMSt(ミッドスタンス)までの復習はこちらをご覧ください↓

 

◆IC(イニシャルコンタクト)についてはこちら↓ 

 IC(イニシャルコンタクト)を紐解く

◆LR(ローディングレスポンス)についてはこちら↓

 LR(ローディングレスポンス)を紐解く

◆MSt(ミッドスタンス)についてはこちら↓

 MSt(ミッドスタンス)を紐解く① 

 MSt(ミッドスタンス)を紐解く②

 

「TStの特徴」

骨盤の後方回旋が起こる
診るポイントが対側に変わる

 

「骨盤の後方回旋が起こる」について

股関節の影響を考える

MSt後半から、骨盤は遊脚側が前方回旋するように出ていきました。

 

反対側が前方に回旋するという事は、当たり前ですがその反対は後方回旋することになります。

 

この骨盤の回旋は、本来ゆっくりと足の入れ替わりのスピードと同じように行われるのが特徴です。

 

例えば、左下肢ICから、LR、MStときて、右の骨盤が前方に回旋していきます。

 

右下肢が前方に出ていくスピードで、骨盤も同じように出ていくのが特徴で、もし左下肢の伸展相が長ければ、ずーと右の下肢は前方に出ていくわけです。

 

ここに、急に前方に出ていくような特徴があれば、それはどこのせいで急な動きになるのか?などを探していくことになります。

股関節か? 足部か? 過去に何か既往歴があるのか?

 

などなど。

 

そして、この前方回旋を右がしているときは、骨盤の中心軸より左下肢は後方に移動しています。

 

これが、骨盤の後方回旋となるわけです。

 

この後方回旋も先ほどと同じように診ていきます。

 

 

話の続きで、左下肢が地面に着いていて、右足が前方に出ていきました。

 

この時に左骨盤は後方回旋が始まります。

 

このスピードがゆっくりなのか、それともいきなりスピードが速くなるのか?

 

こんな風に診ていきます。

 

簡単な答えから言うと、右の下肢がゆっくりと出ていけるように、左の股関節周囲筋は遠心性収縮をしながら、いいスピードを保とうとします。

 

左股関節内旋可動域がもし無ければ、この瞬間に左の骨盤後方回旋は急に行われると思います。

 

そうなれば、一度左股関節周囲の制限している筋肉にアプローチして、可動域を出して、もう一度歩行をチェックします。

 

これでスムーズに動いていれば、これで評価があっていたことになるし、アプローチが合っていたことになります。

 

これを取り除くことは、もし左股関節の痛みがこのせいで出ていたら、そのアプローチになるし、左骨盤後方回旋が急に出ていたせいで、右のICが強くつくことになり、右の下肢の痛みがあった場合も、とてもいい評価とアプローチだったことになるという事です。

 

足部の影響を考える

骨盤の後方回旋が足部の影響で、悪く起きる場合もあります。

 

この考え方は、IC時には踵に荷重がかかり、LRでは踵よりやや前方に荷重が移動していきます。

 

次に、MSt。

 

この時には、ショパール関節から、楔舟関節、そしてリスフラン関節と荷重が移動していくと考えるわけです。

 

そして、TStは踵が離れるところから、対側の下肢のICまでなので、MP関節まで荷重が移動していることになります。

 

この荷重の部分をイメージすることが大切で、その部位に荷重がある瞬間に急な骨盤の回旋が起きていないか?をチェックするわけです。

 

これは、足部の影響かを見極める際に非常に大事になってきます。

 

 

「診るポイントが対側に変わる」について

これは先ほども話の中で出ましたが、TStと分類するときに、TStの終わりは「逆側のICまで」となっています。

 

このため、ICの際にどこをどう見て、どう考えていくのかを話していますが、左足をずっと追っていた診方を、右足のICの診方に変えなきゃいけないのが、ここの特徴です。

 

ようは、この時はすでに荷重が右側に完全に移動し始めていると考えることができます。

 

確かに左足が地面に着いているので、まだ左に荷重しているのですが、MSt後半で加速した右足は、すでにそっちに荷重を載せる準備ができているわけです。

 

右足のICの問題は、このTStの左の問題か、その一つ手前の、左のMStの問題かな?と考えることができます。

 

ICが正常につけない=そちらの下肢の問題

 

ではなくて、反対側の問題としてとらえることができるという事です。

 

 

TStは「荷重をスムーズに反対側に引き継ぐ相」であり、

「反対側のICの問題の解決するポイントが隠れている相」と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】

Athlete Village浜松代表

アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な筋力強化、そ こからアスリートのパフォーマンスアップまでを組み立てる力は、業界 でも群 を抜いている。
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛みを根本から 取りたい92歳まで、一人ひとりの目標に合わせ幅広く対応。動きの中 から痛 みの原因を探り、それを解決し、アスリートには動きの中からパフォーマンス アップに必要な問題点を改善する。その腕を信じ、県外からもクラ イアントが 多数訪れる。

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