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足部のアライメント

【モートン病とSway back姿勢の関係について】

  • 【モートン病とSway backの関係について】

 

治療をしていく中で、「歩くとつま先の方に痛みが出る」、「指先がしびれる」という方にあったことがあるのではないでしょうか?

 

前足部の痛みでよく考えるのは、外反母趾・モートン病などがあげられると思います。

 

今回は、モートン病とSway backの関係についてお話していきます。

 

 

《モートン病とは》

 

モートン病は中足骨頭間の深横中足靱帯下で、神経の絞扼や微細な外傷の繰り返しが主な病因と考えられています。

二次的変化で偽神経腫ができることがあります。

 

症状として、足部の灼熱痛・しびれ・感覚低下・足趾への放散痛などが挙げられます。

 

 

3,4趾の間が多く、次に第2,3趾の間に症状が出やすいと言われています。

 

 

 

合わない靴を履いたり、後方重心、浮指、アーチの異常などによって引き起こされると考えられています。

 

一般的には、保存的治療と手術的治療が行われています。

 

保存的治療は、靴の指導・足底板・ステロイド注射などを行います。

 

手術的治療は、保存的治療で改善が不十分な場合は、神経切除術などが行われます。

 

私たち治療家は、その方のモートン病の原因を総合的に突き止めアプローチしていく必要があります。

 

そしてモートン病はSway back姿勢と密接な関係があるのです。

 

 

《Sway back姿勢とは》

 

頭部前方変位、胸椎後方変位、腰椎平坦、骨盤後傾・前方変位、股関節伸展位

 

になっています。

以下の写真のような姿勢になります。

 

 

<K1セミナーの資料より>

 

そしてSway back姿勢は後方重心になりやすいという特徴があります。

 

 

では、なぜSway back姿勢がモートン病に関係するのか。

 

Sway backback姿勢でいると後方重心になりやすく、踵に重心がのりやすくなる為、足趾が浮いてきます(浮趾)。

浮趾は、モートン病の痛みの原因の1つでもあります。

 

 

この浮趾というのは、

 

立位時に足趾が地面についていない状態

 

と定義されています。

 

浮趾になりやすい原因として、

・扁平足

・ハイアーチ

・後方重心

・大きい靴(抜けないように趾で踏んばろうとするため)

・小さい靴(つま先が靴先に当たり、中足骨頭が低下するため)

などがあります。

 

Swaybackの場合、

大腿に対して下腿が外旋・ST回外・リスフラン関底屈で

背屈制限が起こりやすくなります。

 

背屈制限が起きると前方に重心が乗らずに後方重心になりやすいため、浮趾を助長させる要因となります。

 

浮趾が起こることで、歩行中の重心が前方移動することが難しくなります。

また、Swaybackでの大腿に対して下腿が外旋・ST回外・リスフラン関節の底屈と

後方重心での浮趾によって

MP関節が伸展位となり、中足骨頭部に荷重が集中してしまいます。

 

 

 

<動作分析と治療マネジメント~歩行時のMP関節の動き~より>

 

 

ではこの浮指をどのように改善していくのか。

 

浮指を改善する一つのエクササイズとしてカーフレイズがあります。

 

これは本来、下腿三頭筋に対し行うエクササイズとして多く取り入れられていますが、足部内在筋である虫様筋も一緒に狙います。

 

浮指の多くは、外在筋が働きMP関節が伸展位となっていることが多いため、

MP関節屈曲作用のある内在筋(虫様筋)を機能的に働かせるといった狙いです。

 

内在筋が機能していないと、MP関節が伸展位となり重心の前方移動能力が低下、浮趾の要因となります。

内在筋が活性化することにより、虫様筋を機能的に働かせることができ、

その結果、MP関節屈曲機能及び、重心の前方移動能力が向上します。

 

 

Sway back姿勢の方がカーフレイズを行う際多いのが、後方重心のまま股関節前面を前方に突き出し行うやり方です(図参照)。

 

<動作分析と治療マネジメント~歩行時のMP関節の動き~より>

 

 

この場合うまく虫様筋を働かせることができません。

また、この状態でカーフレイズを行うとMP関節が伸展位となる為

モートン病の症状が出やすくなります。

 

次に前足部の方向に体重を乗せるようにカーフレイズを行ってみてください。

内在筋を使い、繰り返していくので足底に刺激が入る感覚が分かると思います。

繰り返していくうちに足底に刺激が入る感覚が分かると思います。

※この時踵は最終域まで上げすぎず、途中で止めるぐらいが良いです。

 

<動作分析と治療マネジメント~歩行時のMP関節の動き~より>

 

 

このように足部内在筋を機能的に使う事で浮指が改善され、

重心を前方に運びやすくなることでモートン病の痛みの軽減につながります。

 

そのことから、足部アライメントの修正にもつながる為、足部のアプローチだけでなく、後方重心の元となるSwaybackを修正する事で、必要もあります。

 

 

 

今回はSwaybackによって後方重心となり、内在筋が使えずMP関節が伸展位となってしまいモートン病の症状が出てきやすいというお話をさせていただきました。

 

他にもモートン病の原因となるアライメントはあるので、今回はその中の1つとして参考にしてください。

先生もぜひ臨床で取り入れてみてください。

 

 

<参考文献>

C1セミナー

・片寄 正樹・他:足部・足関節理学療法マネジメント、株式会社メディカルビュー社、2018年発行

・動作分析と治療マネジメント~歩行時のMP関節の動き~

・A・IKAPANDJJI・他:カパンジー機能解剖学Ⅱ下肢原著第6版、医歯薬出版株式会社2010年

弓岡 まみ・他:高齢者の足部・足趾の形態と形態異常に関する調査研究

・福山 勝彦・他:浮き趾に対する評価、分類の妥当性と、歩行からみた定義の検討

・磯本 慎二・他:特集Orthopaedic Neurology―神経内科と整形外科の狭間で モートン病

・長谷川正哉・他:高齢者に対してみられる浮き趾と足趾運動機能および姿勢制御能力について

鍼灸師 荒木 千陽

 

 

 

 

 

 

 

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