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膝関節のアライメント

【膝蓋下脂肪体はなぜ悪者にされるのか】

【膝蓋下脂肪体はなぜ悪者にされるのか】

 

変形性膝関節症で、、、膝蓋下脂肪体!

下腿外旋で、、、膝蓋下脂肪体!

膝の伸展制限で、、、膝蓋下脂肪体!

 

こんな感じで膝蓋下脂肪体って結構悪者にされることが多いです。

 

臨床でも年配の方の膝の痛みの場合はかなりの確率でこの膝蓋下脂肪体が悪さをしています。

では、なぜ悪さ(ROM制限、痛み)に繋がるのか?これを説明できますか?

 

硬くなるから→リリースする!

 

この思考に陥ってはいませんか?

 

今回は、

 

・膝蓋下脂肪体ってよく聞くけど何者なの?

・膝屈伸時の膝蓋下脂肪体の動きと役割は?

・変形性膝関節症と膝蓋化脂肪体の関係性は?

 

この辺りをざっと説明していきます。

 

つまり、膝蓋下脂肪体について深堀して、痛みやROM制限になる理由について考えてみよう!ということです。理解していてのアプローチとただ単にアプローチするのとでは全然意味が変わってきます。膝蓋下脂肪体について考えていきましょう!

 

なお、ここからは膝蓋下脂肪体って入力するの結構長くて大変なので、IFPinfrapatellar fad pad)って書いていきます。この機会に英語も覚えていきましょう笑

 

では、いきましょう!

 

 

・膝蓋下脂肪体ってよく聞くけど何者なの?

 

まずは、IFPの場所を確認していきましょう。

※プロメテウス解剖学アトラスより引用

 

IFPは膝蓋骨の下に位置し、滑膜外かつ関節包内に存在する脂肪組織です。

滑膜の表層から脛骨粗面の近くまで付着しています。

 

神経支配と血管が豊富で、IFPの前内側は伏在神経、脛骨神経、大腿神経および内側広筋神経の枝から、前外側は外側広筋神経の枝および脛骨神経、反回腓骨神経、総腓骨神経から供給されている。血液供給は周辺部で十分に供給されていますが、中心部では供給が少ないとされています。(参考文献①)

 

 

こちらは膝蓋下脂肪体の疼痛閾値を表しています。

Dyeらは自分の膝関節を用いて局所麻酔下において各組織を直接刺激し、どこに痛みのセンサーが多いのかを検証しました。(参考文献②)

こちらの写真では色が濃くなるほど痛みを感じやすいことが示されていて、前十字靭帯や半月板などを抑えて最も痛みを感じやすい組織がIFPだということが分かりました。

 

以上のことから神経支配や血管が豊富で痛みのセンサーが多いことから、IFPは痛みを感じやすい組織であるということが分かると思います。

 

 

・膝屈伸時の膝蓋下脂肪体の動きと役割は?

 

膝関節は機能的には蝶番関節に近いですが、構造的には顆状関節に分類されます。その為、おもに膝の屈曲、伸展をメインに行いますが、その時のIFPの動きは

 

・膝関節屈曲→膝蓋腱と脛骨前縁に押し出され、膝蓋骨後面へ移動する

【D−2セミナー資料より引用】

 

 

・膝関節伸展→脛骨粗面付近まで遠位に動き、膝蓋腱を表層へ押し出す、レバーアームの役割をしている

【D−2セミナー資料より引用】

 

 

膝を屈曲するとき、IFPは膝蓋骨の後面へ移動します。これはPF関節の内圧が高まらないようにIFPが膝蓋骨後面へ移動することによって除圧効果があると言われています。簡単に言えば、衝撃緩衝のような役割をします。また、深屈曲と浅屈曲時に内圧が高くなると言われているので(参考文献③)衝撃緩衝のような役割がいかに重要か分かると思います。

 

逆に、伸展ではIFPは膝蓋骨後面から顔を出して脛骨高原~膝蓋腱のうらまで移動し押し上げます。膝関節は伸展で安定し、屈曲で不安定になる構造です。この伸展時に働く筋肉が大腿四頭筋になります。大腿四頭筋はPSIS~膝蓋腱となり脛骨粗面まで付着するので、IFPが膝蓋腱を押し上げることで膝蓋腱に張力が発生し、大腿四頭筋の筋出力が高まり膝を安定させることができます。

 

これらの理由からIFPは膝の屈曲、伸展でとても重要な役割をしていることが分かります。

 

しかし、IFPの線維化や癒着などが起こると膝蓋骨は低位を示し、膝の可動域制限が起こります。臨床上代表的なのが、変形性膝関節症になります。

 

ここからは変形性膝関節症とIFPの関係について紐解いていきます。

 

 

・変形性膝関節症と膝蓋下脂肪体の関係性は?

 

変形性膝関節症(膝OA)は関節裂隙の狭小化により内側コンパートメントへの過重負荷が増大している状態を示します。

※ここでのOAは臨床的に多い内側型で話を進めていきます。

 

OAの方のアライメントとして多いパターンは骨盤後傾を呈しており、骨盤が後傾すると股関節は外旋、それに伴って下腿が外旋します。さらに、下腿は外方傾斜し、この状態が続くと膝は内反化し、膝関節内側への圧縮負荷が大きくなります。

 

アライメント評価について詳しくはこちら↓↓

https://arch-seminar.com/posturalanalysis/%e3%80%90%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e5%a7%bf%e5%8b%a2%e3%81%ae%e8%a9%95%e4%be%a1%e3%82%84%e5%8b%95%e4%bd%9c%e5%88%86%e6%9e%90%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%8d%e3%81%9f%e3%81%84-2/

 

さらに、下腿が外旋することによって滑膜、関節包、腱などは引き延ばされた状態となります。膝の変形が進むと膝は完全伸展ができなくなるのでIFPのレバーアーム保持の役割もできなくなります。つまり、膝の屈曲・伸展制限が起こります。

 

この状態が続くとIFPにもストレスが加わり線維化を起こし、柔軟性が失われます。

 

IFPは膝屈曲で膝蓋骨後面へ、伸展で膝蓋骨後面から出てきます。

膝関節内を縦に動くと捉えると分かりやすいと思います。

 

膝OAが進行した状態だと下腿外旋も伴っていることが多いので、膝の屈伸時IFPが膝関節内を縦にスムーズに移動できなくなります。その為、先ほどの膝屈伸時のIFPの役割が発揮できなくなり、痛みや可動域制限を引き起こします。

 

 

このような背景から膝蓋下脂肪体は膝関節において重要な組織になりますが、悪さを起こしやすい組織にもなりえるのです。

 

いかがでしょうか?

 

 

ここまで読むと最初の

 

変形性膝関節症で、、、膝蓋下脂肪体!

下腿外旋で、、、膝蓋下脂肪体!

膝の伸展制限で、、、膝蓋下脂肪体!

 

これらはなぜ膝蓋下脂肪体が原因なのか説明できるのではないでしょうか?

 

【アスレティックトレーナー】

石井 涼

 

参考文献

 

・1.Li-Feng jiang:Role of infrapatellar fat pad in pathological process of knee osteoarthritis: Future applications in treatment

 

・2.Dye SF:Conscious neurosensory mapping of the internal structures of the human knee without intraarticular anesthesia

 

・3.Michael Bohn sack:lInfrapatellar fat pad pressure and volume changes of the anterior compartment during knee motion: possible clinical consequences to the anterior knee pain syndrome

 

 

 

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