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骨盤・股関節のアライメント

【成長期に起こる腰椎分離症とアライメント】

【成長期に起こる腰椎分離症とアライメント】

 

当院では約7割の方たちがスポーツをして怪我をし治療にきています。

中でも部活動やクラブチームにはいっている学生が5割を占めており、

外傷や成長期ならではのケガも多く診させて頂いております。

 

中には病院に行ったけれど成長期のケガ、スポーツのしすぎという事で、湿布をはって安静にするように伝えられ、なかなか痛みが引かず不安になって当院に来院されるかたも多くいらっしゃいます。

 

特に踵の痛みやシンスプリント、オスグットシュラッタ―病、腰椎分離症などの成長期における怪我は処置によっては長引き、成長期の間ずっと痛みを抱えている子もいます。

 

我々はその痛みに対して成長期のケガ、診断で終わることなく、

なぜ?痛みがあるのか。どうして痛くなるのかを分析しさらにアプローチし患者さんの悩みを解決してこそ本物の治療家だとおもっています。

 

今回はそんな悩みの中から腰椎分離症についてお話したいと思います。

 

皆さんも既にご存じかと思いますが、ざっと腰椎分離症についてのメカニズムについてお話します。

 

腰椎分離症は先天的なものと後天的な2種類にわかれます。

 

先天的な腰椎分離症は遺伝により腰椎が弱く分離してしまうことで発症します。

 

次に後天的な腰椎分離症はスポーツ動作などの繰り返しの腰部のストレスなどにより疲労骨折し分離してしまいます。

(後ほどくわしく解説していきます)

 

腰椎分離症は以下の3つの段階があります。

 

早期 いわゆる初期の段階で腰椎の1部分がわずかに分離します。

レントゲンでみてもわかりにくいためMRI検査をする事が多いようです。

 

進行期 レントゲン上で椎弓の亀裂がみてわかります。早期よりも伸展や回旋で痛み限局してでます。骨硬化はまだありません。

 

終末期 椎弓が完全に分離してしまい分裂部周辺に骨硬化がみられます。

いわゆる偽関節という状態です。

 

早期、進行期の場合は骨が癒合する可能性が高いです。そのため固定が最優先になります。

 

終末期になってしまうとほぼ骨癒合が期待できないため、長期間の固定よりも疼痛管理をしっかりとし悪化させずに復帰させることを優先します。

 

このほかにも皆さんが知っている知識はあるとおもいますが、我々が分離症を改善させるための考え方をお伝えしたいと思います。

 

分離症での痛みは

腰椎の伸展、回旋

患部の直接的な刺激で痛みが増悪するといわれています。

 

腰椎分離症でよくいわれる原因が股関節の柔軟性の低下、そして脊柱の可動域の低下です。

 

わたしの考えでは股関節の純粋な伸展不足で、それを腰椎代償してしまっている問題点。

 

高校生女子サッカー 伸展、回旋で痛みが増悪。

側臥位にて股関節の伸展を評価後、立位にてシュートフォームでの股関節伸展を評価

 

 左 手技前      右 手技後

腰椎で股関節伸展代償  股関節の伸展のROMアップ

シュートフォームでのバックスイング期、プレパレーション期で股関節伸展不足が腰椎に負荷を与えていると予測。

 

 

さらに胸郭、胸椎の回旋などの可動域不足で腰椎で代償している問題点。

スポーツ動作に多い『体幹の回旋』を紐解く

大きく分けて上記2つが腰椎に負荷をかける問題なのではないかと考えています。

 

 

ずばり私が今まで腰椎分離症になった学生をみて多かった姿勢、歩行などの動作は

 

立位 胸郭後方変位、下位胸郭挙上、腰椎伸展、骨盤は腰椎に対して後傾です。

 

ここで?と思われた先生方は

胸椎の伸展って、腰椎の伸展?

脊柱を見抜く

 

簡単に訳すと、胸郭の後方変位に対して骨盤の前方変位が多くみられます。

いわゆるSway back姿勢です。

 

 

※骨盤右側方Sway

さらに腰椎が分離している方は骨盤の前方回旋、骨盤の側方Sway が多く踏み出し脚側に多く存在します。

 

※ここでいう踏み出し脚は歩幅が大きい方を指します。

 

骨盤の前方、側方Sway により腰椎の牽引ストレスや、上半身質量中心の移動ができないため、骨盤がSway し挙上し腰椎に圧迫ストレスを加えることが原因となりそうです。

 

骨盤の回旋テスト、歩行での踏み出し脚、蹴りだし脚の評価はK1セミナーで内容をお伝えさせて頂いています。

 

歩行分析の見方はコチラ

 

【初めての方はこちら】K1セミナー開催『歩行評価・骨盤回旋評価・歩行時の痛み分析セミナー』

 

要するに上記のように骨盤に対して胸郭が後方変位すると踏み出し脚側になりやすく、

骨盤の前方回旋、Sway が大きくなってしまうとうことです。

 

この姿勢だと腰椎は常に伸展傾向にあり、骨盤の前方回旋などで回旋が過度の加えられ

痛みを増悪させます。

 

 

腰椎分離症などの成長期におこる怪我は、その子どもたちの将来を見据えたうえで対処していかなければいけません。

 

・どのくらいの分離なのか。どこが分離しているのか。

・固定はどのくらいするのか。

・骨盤の回旋量やSway はどうなのか。

・股関節の可動域制限や脊柱の可動域は。

・それをどう治していくのか。

考えること、準備することはたくさんあります。

 

そしてまず初めに分離症をどう見極めるのか。

 

私たちのような整骨院は残念ながら十分な画像検査をすることはできません。

 

そのため分離症の疑いがある場合は我々だけで囲わず、疑わしい場合は積極的に整形外科にて受診を勧め、X-PCTMRIをとる必要があるとおもいます。

 

その後、受診先の先生と協力し、長期間骨を癒合するために安静にするだけでなく、再発のリスクや日常生活の痛みの軽減を図るべく、上記のような原因を分析し治療に励んでいく必要があるとおもいます。

 

腰椎分離症で悩んでいる子どもたちが痛みや悩みから解放されることを想像し治療に励みたいものです。

 

津ヶ谷 淳(つがやあつし) 【鍼灸師】

アスリート鍼灸整骨院 瀬名川店 院長

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