【swayback姿勢と膝周囲の痛みについて】
【swayback姿勢と膝周囲の痛みについて】
今回はsway-back姿勢と膝周囲の痛みについてです。
先生の周囲にも実際に多いのではないでしょうか、、、
「Sway-back姿勢」で膝周囲が痛くなる方が。
今、この記事を見て下さっている先生も、
実際に担当されている患者さんの顔が頭に浮かぶのではないでしょうか。
その患者さんをイメージしてみてください。
その方の膝の調子はいかがですか?
初検時に痛くて困難だった、しゃがみ込みや、階段昇降、かけ足等。
現在、どんな動作が痛みなく、又は軽減して出来るようになりましたか?
それはどんなアプローチをして軽減しましたか?
当たり前ですが、
「その膝の痛みの原因が何で」、「何に対してのアプローチをして痛みが軽減したのか」が
分かっていることがとても重要だと思います。
ベット上でセッティングやブリッジングなど。
色々なトレーニングがあるかと思います。
そのトレーニングを否定しているわけではありませんが、
その前にやるべき事があるのではないかと考えていますので、
そのお話をさせて頂きます。
まず最初に、
sway-back姿勢は
骨盤後傾で骨盤よりも胸郭が後方にあること、
もしくは胸郭よりも骨盤が前方にあることを
Sway-back姿勢と言うと思います。
この姿勢になると、多くの方が後方重心になります。
そして、これ以上後方重心にならないようにと
大腿前面の筋肉のエキセントリック収縮で制御します。
その際に、大腿後面の筋肉は働かない事が殆どです。
実際にやってみて下さい。
大腿前面で姿勢を保っているのがわかるかと思います。
さて、
そのような患者さんに、
大腿四頭筋のストレッチをしたり、
ベット上でブリッジングをするとどうなるでしょうか?
大腿前面の柔軟性が向上して、
よりエキセントリック収縮しやすくなり、
更に後方重心になりそうではないでしょうか?
後方重心になると、
上半身質量中心と膝関節との距離が遠くなるため
余計に膝関節に負担がかかるかと思います。
福井勉:結果の出せる整形外科理学療法、MEDICALVIEW、2009より引用
その姿勢のまま
歩行や階段昇降、
ランニングをしたらどうでしょうか?
後方荷重のままランニングしたら
膝周囲が痛くなりそうではないでしょうか?
どれだけ膝関節のROMを獲得したとしても、
「荷重時の姿勢がどうなっているか」を考えていかなければ
結果的に症状の改善に繋がらないかもしれません。
決して、ROMの獲得を否定しているわけではありません。
それと同時に必要なことがあるということです。
後方重心を改善する事。
これが重要だと考えています。
そして、Sway-back姿勢の改善方法の考え方の一つとして、
以下のものがあります。
骨盤前傾を獲得し、骨盤より胸郭を前方に出すことで、
上半身質量が前方に出る。
こうすることで、大腿前面の筋肉を使わなくても良くなります。
もう一度この写真をご覧下さい。
向きを変えてみました。
sway-back姿勢に見えてきたのではないでしょうか?
ということで、
もうお分かりかと思いますが、
swayback姿勢を改善すれば、
膝関節伸展筋をエキセントリック収縮で過度に使わなくても良くなるので、
痛みの改善に繋がるかと思います。
このように、局所だけを診るのではなく
重心の位置も見抜くことで、
1日でも早く痛みを軽減する事が出来るのではないでしょうか。
中川裕太(なかがわゆうた)【柔道整復師】