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骨盤・股関節のアライメント

【変形性股関節症の屈曲拘縮の原因とアライメントの関係について】

【変形性股関節症の屈曲拘縮の原因とアライメントの関係について】

 

変形性股関節症(以下HOA)は関節軟骨の摩耗や変性による関節の破壊や反応性の骨増殖によって股関節に変形をきたす疾患です。

 

原因が明らかではない一次性股関節症

 

原因が特定できる二次性股関節症に分けられます。

 

二次性股関節症の原因として、

 

臼蓋形成不全や大腿骨頭壊死、外傷など様々です。

 

また症状が前期・初期・進行期・末期と分かれていて

 

前期では関節の狭小化は認められませんが、

 

症状が進行するに従い関節の狭小化、関節の変形が起こります。

 

現在日本では100万人以上の患者様がいると言われています。

 

一般的に男性より女性に多く50代以上で多いとされています。

 

因みに、変形性股関節症の進行具合は以下の通りです

 

前期:臼蓋形成不全を認めるが関節のすり減りが見られないもの

 

初期:関節のすり減りが軽度見られるもの

 

進行期:関節のすり減りが進行したもの

 

末期:関節裂隙が消失し変形が高度化したもの

 

そんな50代以上の女性に多いHOAですが、

 

先程も述べたように症状が進行するに従い関節の変形が起こります。

 

それに伴い、日常生活動作にも制限が出てきます。

 

初期のころは歩きで股関節前面や前外側が痛みますが、

 

徐々に靴下がはけない、爪が切れない、

 

安静時にも股関節に痛みを生じます。

 

症状の進行に伴い骨の変形も出てきますが、

 

それと同時にアライメントの変化が出てきます。

 

HOAの方で多いアライメントが

 

【骨盤前傾・腰椎前弯・股関節屈曲・内転・内旋】です。

写真

このアライメントが長期間強いられると

 

股関節屈曲、伸展可動域の低下につながり

 

関節を動かさなければ拘縮が起こります。

 

このようにHOAの方が拘縮を起こす原因と

 

アライメントの変化について紐解いていきます。

 

①拘縮とは

 

②股関節の解剖

 

③HOAアライメント

 

①拘縮とは

拘縮はHoffaの分類が用いられ、

 

皮膚、結合組織、筋性、神経性、関節性拘縮の5つに分類されます。

 

痙性麻痺や疼痛、固定などの長期間の固定により

 

関節の不動化が続くことで組織の伸展性が失われて

 

関節可動域の制限が起こります。

 

動かさないから硬くなったというのは拘縮のことです。

 

拘縮を改善する、あるいは予防する一番の方法は関節を動かすことです。

 

もちろん骨性のものでは改善は難しいですが、

 

筋や軟部組織などが原因であれば運動療法で改善できる可能性が高いのです。

 

②股関節の解剖

・骨

股関節は寛骨の臼蓋と大腿骨頭がなす関節です。

 

臼蓋と大腿骨頭には関節軟骨があり衝撃の緩衝材となっています。

 

大腿骨頭側では2.03.7mm程、

 

臼蓋は中心部と外縁によって違いますが0.83.0mm程度

 

あると言われています。

 

骨頭と臼蓋の関係は

 

 

股関節伸展位では骨頭の半分ほどが覆われています。

股関節屈曲位では骨頭が臼蓋に完全に覆われて安定性が増します。

つまり股関節伸展位よりも股関節屈曲位の方が

 

股関節の安定性が増すということです。

 

・靭帯

股関節で代表的な靭帯が前方に

 

腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、後方に坐骨大腿靭帯があり

 

股関節伸展位外は大腿骨頸部を取り巻き骨頭を臼蓋に引き付けることで安定性を得ています。

 

逆に股関節屈曲位では弛緩します。

 

各機能の働きとしては、

 

腸骨大腿靭帯は股関節伸展、外旋を制動、

 

恥骨大腿靭帯は股関節伸展、外転、外旋を、

 

坐骨大腿靭帯は股関節内旋、外転に制動します。

 

・筋肉

股関節周囲にはたくさんの筋肉が付着しています。

 

前面には腸腰筋、大腿四頭筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、

 

後面には外旋筋群、殿筋群、ハムストリングス、

 

内側には内転筋群が付着しています。

 

股関節周囲の筋肉の特徴として動きで筋肉の作用が変わります。

 

例えば、

 

内転筋群の長内転筋や短内転筋は屈曲60度までは屈曲筋ですが

 

それ以降は伸展筋として働きます。

 

そしてこれらの筋肉のおかげで

 

股関節は屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋などの三次元的な動きを行えることが出来ます。

 

③HOAのアライメント

HOAの方で痛みを訴えることが多いのは股関節前面や前外側です。

 

 

こちらの2つの写真では骨頭の被覆率の違いがあります。

 

左の写真は一般的なアライメントで骨頭は

 

臼蓋に対して半分ほどが覆われるようになっています。

 

右の写真はHOAの方に多いアライメントです。

 

骨盤を前傾させて股関節の屈曲を作っているような状態です。

 

過度な骨盤前傾が見受けられます。

 

このように骨盤前傾が強いと運動連鎖として

 

腰椎前弯・股関節屈曲・内転・内旋となります。

 

このアライメントは

 

骨頭が臼蓋に対してほぼ覆われるようになり

 

股関節は安定性が得られます。

 

HOAの方はこのような理由で

 

骨盤を過度に前傾させます。

 

しかし、この状態が続くと問題が出てきます。

 

それが股関節の屈曲拘縮です。

 

先ほどもお伝えしたように、

 

股関節伸展位では骨頭の被覆率が減少するので

 

股関節屈曲位でいようとします。

 

骨盤前傾位でいる時間が長くなります。

 

すると、股関節前面の

 

腸腰筋や大腿四頭筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、筋膜、皮膚は固めて関節を安定させようとします。

 

さらに股関節伸展位と

 

屈曲位では関節軟骨に対する圧力がかわります。

 

一般的に伸展位は関節軟骨の厚い部分圧力が加わりますが、

 

屈曲位は関節軟骨の薄い部分に圧力が加わります。

 

これがさらに股関節痛を強くする原因にもなります。

 

この状態では股関節の三次元的な動きを行えなくなります。

 

その為、股関節を安定させるためにやっている事だとしても

 

股関節屈曲拘縮を改善しなければなりません。

 

このままの状態では腰椎の前弯が強くなり腰痛に繋がったり、

 

足部の外反が強くなり外反母趾の形成に繋がったりと、

 

ほかの関節にも影響が出てきます。

 

足部の動きについてはこちらをご覧ください

腰痛についてはこちらをご覧ください

 

股関節屈曲拘縮を改善させると同時に

 

骨頭の求心位を保つためのトレーニングや

 

歩行改善訓練を行っていく必要があります。

 

石井 涼(いしいりょう) 【アスレティックトレーナー】

ARCH Village

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