胸郭のアライメントと重心を考える②
「上半身質量中心が左にあると、陸上のトラックは曲がりやすかった」
今日は胸郭と上半身質量中心の話の続きです。
私たちはこの上半身質量中心と患者さんの訴える「痛い部分」を診る必要があります。
必ず体はヒントを教えてくれています。
もし、左の膝関節が痛いとしましょう。
じっとしていて痛い患者さんも確かにいらっしゃいます。
ですが、多くの患者さんは動いているときに、痛みを訴える場合が多いのではないでしょうか?
そんな動いている患者さんの「痛い部分」と「上半身質量中心」を頭でイメージするんです。
「歩いていて、左足で片足になった瞬間は上半身質量中心と膝関節の位置関係はこうだな・・・」
「痛い側の右足で片足立ちになった瞬間はこんだな・・・」
「右足の方が、左足よりも上半身質量中心と膝関節の感覚が離れているぞ・・・」
と、なりたいんです。
そうなると、
「右膝関節に対して、上半身質量中心は左にどんどん倒れていくから、それを倒れないように右の下肢外側の組織はどんどん張ってくるな・・・・」
とつなげていきます。
よく、外側広筋や、大腿筋膜張筋、中殿筋前部線維などが張っている患者さんがいると思いますが、大事なのはなぜ張っているかです。
張っている→緩める
張っている→緩める
の繰り返しでは、根本の解決にはなりません。
大事なのは、なぜ張るのかを私たちが突き止められるかです。
そうなると、この場合上半身質量中心を右に移動した方が(左に行き過ぎているのを中心に持ってくるイメージ)、外側の張りは無くなるという事になります。
そうすれば、何回も同じところを訴えるなんてことは無くなると思います(本当の神経症状などは別です)。
この位置関係を見抜くことで解決するたくさんの問題は山ほどあるように感じます。
なので、この関係性で歩行を診ていただきたいんです。
これが理解できれば、股関節が痛い人でも、足部が痛い人でも基本的には同じ考え方でまず診ることができます。
右の股関節が痛くて、、、
「よし、歩行でまず上半身質量中心と右の股関節の位置関係をみよう!」
これでいいんです。
そして左と比べればいいんです。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛