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上半身・胸郭のアライメント

腰痛の再発予防にはドローイン『draw-in』

【体幹の安定化運動ドローイン】

正しい姿勢や動作をコントロールするには

体幹を安定させることが必要です。

その体幹の安定性には腹横筋や多裂筋は重要だと言われています。

腹部を凹ませることで腹横筋を収縮させ脊柱の安定性を高め

四肢をスムーズに動かすための基本エクササイズの代表的なものとしてドローインは有効です。

結果的に腰痛予防としても効果はあり、患者さんに指導される先生も多いと思います。

簡単そうで、奥が深い「ドローイン」。

 

今回は結局どういうものなのか再確認していただき、現場で患者さんの身体や動きを評価した上で、必要であれば使用していただけたらと思います。

 

 

初めに、呼吸をする時に身体や筋肉がどのように動くのかメカニズムを知らなければいけません。

腹圧を高めるための呼吸時の正しい肋骨の動きはこちら↓

呼吸と姿勢の関係

 

体幹深部安定化筋群(インナーコアユニット・ローカルシステム)というものがあります。

ちなみにインナーコアユニットとは(以下インナーコア

この辺です

肋骨の下と骨盤から上の空間、腰椎しかありません。

ということは、このお腹周りは筋肉だけで支えています。

この部分はすべての動作の予備動作に関係し

さらに上肢と下肢を繋ぐ部分であり

身体を安定させてくれます。

簡単に言うと

腕や脚が動くほんの少し前に腹圧が高まり体幹を安定させ

脊柱や骨盤を正しい位置で保ってくれます。

(上肢が動く0.03秒前、下肢が動く0.11秒前に早く動く)

よく肩のインナーマッスル、回旋筋腱板(ローテーターカフ)は重要だと言われますが

そこより早く作動することからも、より重要なことがわかります。

ピッチングで球速を上げようと

どんなに肩周囲を鍛えても

フォームをスムーズにしても

インナーコアがきちんと働かなければ球速は上がらないということになります。

そしてその重要なインナーコアの筋肉たちは

腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群 を指します。

 

腹横筋

表層から順に腹直筋→外腹斜筋→内腹斜筋→腹横筋となり

最も深層にある、俗にいう天然のコルセットのような筋肉が腹横筋です。

 

多裂筋

頸椎から腰椎、仙骨に2~4つの椎骨間をまたいでついている小さな筋肉たちです。

脊柱を回旋・伸展・側屈し、支持してくれます。

固有受容器もたくさんあるので、姿勢の保持や制御も担ってくれるのが多裂筋です。

 

横隔膜

胸腔を上下に仕切るドーム状の筋肉です。

吸気を行えば、収縮し腱中心を下げます。

 

骨盤底筋群

肛門挙筋と尾骨筋を合わせていいます。

骨盤の中にあり、骨盤内の臓器を支えてくれています。

機能低下で尿漏れや頻尿などを起こす可能性があります。

 

この4つの筋肉を体幹深部安定化筋群(インナーコアユニット・ローカルシステム)といいます。

大切なのは、これらの筋肉が連動して機能すること。

 

そして呼吸をすると以下のように働きます。

吸気時は

求心性収縮:横隔膜(下方に下がる)

遠心性収縮:腹横筋・骨盤底筋群

呼気時は

求心性収縮: 腹横筋・骨盤底筋群

遠心性収縮:横隔膜(上方に上がる)

となります。

多裂筋は吸気時も呼気時も腹横筋の遠心性収縮と共同して働き

胸腰筋膜を圧迫し、関節の安定を保ちます。

 

このインナーコアが正常に働いているか、簡単な評価があります。

「ゴホン」と咳をしてみてください。

通常、インナーコアが正常に機能すれば

腹部と骨盤底筋群は内側方向に動くことから

肛門は内側へ引っ込む感じになります。

逆に機能障害が起きている場合は

腹部と骨盤底筋群は外側方向に動くことから

肛門は外側へ向かう動きが生じてしまいます。

 

そうです、これが失禁の正体です。

 

 

そして 腰痛持ちの多くの患者さんは

インナーコアが正常に働いて体幹が安定する前に四肢が動いてしまい

腰痛が起きてしまうと言われています。

 

しっかり息を吐いて腹圧を上昇させ

インナーコアを意識的に正しく動かす

体幹の安定化運動である「ドローイン」はやはり効果的

だという事がわかります。

 

じゃあドローインを指導するときに

正しく出来ているのかをどのように確認したらいいのか?

ここでは仰臥位で行うドローインをご紹介します。

寝たままで始められ

腹筋を動かす際にも内蔵の重さが影響しないのでスムーズに行えるかと思います。

※最終的には、どのような体勢でもドローインができることが理想です。

 

【やり方】

1.仰臥位で両膝を立てます。(脚幅は骨盤幅くらいがいいと思います)

2.鼻から息をゆっくり吸って(約5秒)お腹を膨らませ、

口からゆっくり息を吐き出しながら(約10秒)お腹を凹まします。

3.息を吐き切ってお腹を凹ました状態で5秒間キープします。

→はい終わり。やり方はとってもシンプル。

 

でも何をもってきちんと出来ているのか?

どうやって確認するのか?

 

触察のポイントとしては

上前腸骨棘から二横指内側で触れるポイントがあります。

そこに触れながら、息を吐き出しお腹を凹ましていきます。

そうするとだんだん深い所でかたくなっていきます。(腹横筋の収縮)

さらに息を吐いていくとポコッとかたくなります。(腹斜筋の収縮)

 

腹直筋ではなく腹横筋や腹斜筋を意識する。

肩や首が力んでいないか。

脚に力が入って閉じていないか。

胸式呼吸は出来ているか。など

まだまだ沢山ありますが、現場では細かい部分を確認し、見極めなければいけません。

 

 

今回はドローインについて呼吸から始まり、やり方までご紹介しました。

エクササイズのメカニズムの理解はもちろん

どういった目的で行うのか

出来なかった時にはどこに原因がありアプローチしなければいけないのか

うまく出来なかった時も一つの評価となります。

 

当たり前ですが患者さん一人一人身体は違います。

全員に合うエクササイズなんてあり得ません。

エクササイズの形が出来たから正解なわけがありません。

 

大切なのは患者さんの表情や声に耳を傾けること。

患者さんのことを想えば、たくさん学ぶことも考えることも終わらないと思います。

 

 

 

伊藤 進(いとう すすむ)【柔道整復師】 

スポーツラボ鍼整骨院 滝ノ水

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