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膝関節のアライメント

膝関節のアライメント 大腿骨と下腿を診る

 

 

たくさんの施術者がいれば、たくさんの「診方」が存在します。

 

何も一つに固執しなくてもいいわけで、ご自身がこれいいなと思えるものを、自由に手に入れればいいと思います。理由は、「患者さんは何も知らないから」につきます。

 

その中で、ヒントになればと思います。

 

では、早速話しをさせて下さい。

 

アライメントを診る時には基本的には、立位でまずチェックします。

この時患者さんの後方からチェックします。

 

そして、膝関節をチェックするので、ポイントは大腿骨顆部をまず両手で把握するといいと思います。

 

これで何を診ているか?

 

膝関節で起こる大きな問題の一つに回旋ストレスがあります。膝関節は単純な蝶番関節ではありません。この回旋を見抜くことが痛みの解決のヒントになるかと思います。

 

まず、まっすぐ立っている患者さんに対して、大腿骨が何の捻じれもなく正面を向いていれば、大腿骨顆部は左右どちらかが前方に出ているわけでなく、両方とも同じレベルにあるはずです。

 

〈回旋のない大腿骨後方から〉       〈回旋のない大腿骨上方から〉

         

 

それに対し、例えば大腿骨顆部の外側が前方に出ていれば、それは大腿骨だけの話でいえば、内旋傾向にあると言えます。

〈大腿骨内旋後方から〉          〈大腿骨内旋上方から〉

          

 

反対なら、外旋傾向ですね。

〈大腿骨外旋後方から〉           〈大腿骨外旋上方から〉

               

 

 

実際には大腿骨に対して下腿が外旋している方はたくさんいると思います。

 

骨は相当な変形をしていない限り、この大腿骨顆部はとてもいい指標といえます。

 

次に、脛骨・腓骨の下腿の指標です。

 

今日はまずしっかりと大枠をつかむために、下腿で表現しましょう。

 

より理解が深まったら、脛骨は脛骨、腓骨は腓骨でもっと細かくしていくと面白いと思います。なぜなら腓骨は動くからです。またお話しさせてください。

 

では、この下腿、とってもわかりやすい指標は「腓骨頭」です。

 

この膝周囲で間違いなくいい存在感をかもし出しています。

 

〈正常の位置の腓骨〉

 

先程の大腿骨顆部を触って、次に下腿に下がっていきます。

 

腓骨は正常で、脛骨よりもやや後方に位置します。これを基準に考えると、例えば腓骨頭が正面を向いている立位の患者さんの真横にあったら、それは下腿の内旋を意味します。正常がやや後方でしたから、そこから前方に行けば、内旋方向に行っていることになります。

 

 

〈下腿内旋後方から〉       〈下腿内旋上方から〉

      

 

 

 

その反対に、極端ですが真後ろに腓骨頭があれば、それは下腿が外旋していることになります。

 

〈下腿外旋後方から〉       〈下腿外旋上方から〉

        

 

 

そしてそして、大切なのは健側と比べるという事です。

 

その人の正常はあくまでも、他の人の正常と同じとは限りません。

 

なので教科書の正常を当てはめるのではなく、その方の健側と比べてイメージすることからスタートです。

 

 

 

 

例えば、左の膝が痛い患者さんがいらっしゃいました。

 

膝のアライメントをチェックします。

 

左の大腿骨顆部を把持し、大腿骨の内外旋をチェックします。次にそこから下に下がって、下腿の内外旋をチェックします。

 

この時にまず大腿骨に対しての下腿の向きをチェックします。

 

大腿骨が内旋していても下腿がそれと同じ量内旋位にあれば膝での回旋は起きていないことになるので注意です。

 

健側は、大腿骨と下腿での回旋は「なし」とします。ようはねじれはありませんという事です。

 

次に、健側の膝は大腿骨と下腿の関係がわかりましたから、患側も同じように見てみます。

 

まず同じように大腿骨をチェックして、次に下腿をチェックします。この時に左の大腿骨と同じように内旋していたとします。

 

次に下腿です。

 

先程より、下腿が外旋しているように感じるとします。

 

そしたら、もう一度健側に戻り、下腿を触り患側の下腿の回旋量と比べればいいだけです。

 

そうやって、膝の回旋量が多い側を導き出してください。

 

その答えをもとに、もし下腿が内旋していれば、距骨下関節はどうだった?下腿が外旋していれば距骨下関節はどうだった?とつなげていくところから始めると、痛みのある部位から少しずつ離れた位置の関節のイメージもできてくると思います。

 

2017年9月25日 追記

下腿が内旋していれば、距骨下関節は回内します。下腿が外旋していれば距骨下関節は回外します。

上記の話の場合、下腿は外旋していたので、距骨下関節は回外しているな?となりますよね。

距骨下関節の回外は、内反捻挫をする方向のような動きですから、どうしても小指側に体重がかかりやすくなります。

そうなると外側の荷重になりやすく、外側の筋肉たちはどうしても張りやすくなります。

膝の話ですが、足部までイメージができて、次にその患者さんの張りやすい場所を特定できてなんてできたらいいじゃないですか?

 

そして、その張りやすい場所をただ緩めるのではなく、この状態をもたらしたのは、大腿骨に対しての下腿の外旋ということがわかってきます。

 

なので、アプローチは下腿を内旋させればいいわけです。

 

 

 

患者さんの痛みを取るために、たくさんのイメージができるようになるための大切な膝関節のアライメント評価だと思います。

 

 

髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表

アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な筋力強化、そ こからアスリートのパフォーマンスアップまでを組み立てる力は、業界 でも群 を抜いている。
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛みを根本から 取りたい92歳まで、一人ひとりの目標に合わせ幅広く対応。動きの中 から痛 みの原因を探り、それを解決し、アスリートには動きの中からパフォーマンス アップに必要な問題点を改善する。その腕を信じ、県外からもクラ イアントが 多数訪れる。

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