膝関節屈曲制限を考える 軟部組織編
【歩行・関節軸。軟部組織を考える】
膝関節の屈曲制限は、臨床の現場で非常に多く出会う症状の一つで
過去2回の記事 膝関節屈曲制限を考える 歩行編
膝関節屈曲制限を動き(歩行)から診て、なぜそうなるのかを考え
次は関節の軸が合っていないと、膝関節はうまく曲がらないことを
今日は最後、軟部組織が与える影響を考えていきます。
第3回『軟部組織を考える』
軟部組織とは、ざっくり言って皮膚・皮下組織・筋実質・腱・靱帯
では、この中で膝関節屈曲制限をもたらすものは一体どれなんでし
答えは「すべて」あり得ると思います。
例えば、筋肉の問題。
歩行編でも話しましたが、ここにも問題があることがあります。
大切なのは、筋実質の問題だけでは今の現状語れなくなってきてい
たくさんの技術や知識が発展してきました。
この10年を振り返ってもそうじゃないでしょうか。
そんな中で、世の中にはびこっている「筋膜」問題もそうだと思い
今日はその問題に触れるのではなく、考えるのは「すべて」のほう
例えば、皮膚。
セミナー内でも説明しますが、関節の動きによって皮膚は動き方が
膝関節屈曲時に本来ある皮膚の滑走。
膝前面の皮膚は凸側に集まるような動きをしなくてはいけません。
それがもし無い場合、この時点で膝関節屈曲制限は起こりえるとい
では、膝関節にある膝蓋下脂肪体(IFP :infrapatellar fat pad) 。
この脂肪は、屈曲伸展時で動き方の特徴があります。
膝関節屈曲時に、膝蓋下脂肪体は膝関節の奥に入り込んで、伸展時
もし、この脂肪が固まって、本来ある動きができないとするならば
脂肪体は、脂肪の塊を示しますが、体中に脂肪組織はたくさんあり
そしてまた皮膚ももちろん同じです。
皮膚と脂肪組織は表皮・真皮・皮下組織の順で配列されています。
この時点で、何か制限因子となりえる要素がたくさんあるわけです
では、腱や靱帯はどうでしょう?
腱や靱帯はそれを単独で想像すると、痛めて回復する過程で瘢痕組
なってしまいますが、僕たちがもっとイメージを膨らまさないとい
腱や靱帯付近にも脂肪組織はいて、それらが癒着するようなイメー
そう考えると、全身にあるこの皮膚や脂肪組織。
これらは、動きを制限する因子として考えられるわけです。
膝関節屈曲制限にかかわる筋肉、膝蓋骨上嚢、膝蓋下脂肪体などな
個別での制限因子は確かにたくさん紹介されています。
しかし、この個別で集めていく作戦は、きっと本質ではなりません
今まで筋実質をイメージし、損傷した靱帯や腱をイメージして変化
もう少しイメージを広げて、一度俯瞰的に見てみると、そこに大き
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛