膝関節屈曲制限を考える 関節軸編
【歩行・関節軸・軟部組織を考える】
膝関節の屈曲制限は、臨床の現場で非常に多く出会う症状の一つです。
前回の記事 膝関節の屈曲制限を考える 歩行編
では、歩行の問題で起こる膝関節の屈曲制限を考えました。
第2回目の今回は膝関節の関節軸による膝関節屈曲制限を考えたいと思います。
第2回『関節軸を考える』
膝関節の軸とは、ここでは回旋軸をイメージしていただこうと思います。
「カパンディ関節の生理学」で『軸回旋の真の軸は2つの顆間結節の中心ではなく、関節のピボットの中心をなす内側結節を通り抜けるのである。』と記載されている。
ようするに、膝関節の回旋軸は真ん中より内側に存在するという事である。
では、この回旋軸がなぜ膝関節屈曲制限と関係があるのかを話したいと思います。
基本の話ですが、膝関節は単純な蝶番関節ではないため、屈曲伸展時に回旋を伴う事は有名な話です。
単純にまとめますが、屈曲時に膝関節は大腿骨に対して脛骨が内旋する。
もしくは、荷重している場合脛骨に対して大腿骨が外旋する、となるわけです。
その反対に伸展時は、大腿骨に対して脛骨が外旋。
荷重時には、脛骨に対して大腿骨が内旋するとなります。
あまりに有名な話ですが、意外と荷重時のイメージが抜けてしまう先生が多いようです。
荷重時なので、教科書でいうように大腿骨に対して・・・は使う事ができません。
どちらが個体されているかを考えたうえで、下腿が固定されているから、大腿骨がそのうえでどう動くかが
臨床的にはとても大切になると思います。
話は戻りますが、ようは屈曲伸展時に必ず回旋という動きが入るわけです。
なので、この回旋軸がどこにあるかは知っていなくてはいけません。
この内側にある回旋軸。
これによって、大腿骨内側顆、外側顆どちらが動きが大きくなるかが変わってくるからです。
本来、内側に回旋軸がある場合内側顆の移動する範囲よりも、外側顆の移動する範囲のほうが大きくなります。
ということは、膝関節の動きは屈曲伸展で外側顆がより多くの動きをしなくてはいけないという事です。
思い出してください、
膝関節では内側は内側側副靱帯、内側半月板がくっついていて、動きの制限を受けやすいです。
外側は、外側側副靱帯と外側半月板はついていませんでした。
ここから考えても、外側顆の移動が大きくなるイメージはできるという事です。
では、この外側顆の動きがもし制限されたらどうなるのでしょうか?
膝関節の回旋軸はどうなるのでしょうか?
では、内側顆の動きがもし制限されたらどうなるのでしょうか?
膝関節の回旋軸はどうなるのでしょうか?
回旋軸の変化は、正常の屈曲伸展を制限するという事です。
誰でもわかるぐらいの屈曲制限の方もいれば、膝の最終屈曲域での制限の方もいます。
治療をしていって、最初よりは屈曲可動域が出てきたが、最後どうも取り切れないなんて方はきっと
いらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時に、必ず頭の中にあった方がいいのがこの「関節の軸」のイメージではないでしょうか。
本来外側顆が動かなければいけない。
でも動きすぎの場合ももしかしたらあるかもしれない。
関節軸が正常からズレることは、膝関節屈曲制限、伸展制限を生むという事です。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛