足関節背屈制限因子はどうやって作られるのか? 筋肉編
【足関節背屈制限因子と筋肉】
前回お伝えさせていただいた、
足関節背屈制限因子と床反力。
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今日は、前回も話した筋肉による制限を考えたいと思います。
前回もお伝えした、床反力がもたらす足関節背屈方向への動き。
それに対して、下腿三頭筋が足関節底屈作用をしてずっと筋力を発揮する状態となり
硬さが出現して、背屈制限が生まれるかもしれないとお話ししました。
例えば、その下腿三頭筋がしっかりと柔らかくなった時に、すべての足関節背屈制限が
解消することを感じた人はいらっしゃるでしょうか?
きっと、その一瞬柔らかくなって、たしかに解消したかもしれません。
ですが、その何十秒後かに、何分後かにもとに戻っているかもしれません。
前回も使った図です。
この図の床反力を見てください。
かかとから、足関節の後方を通っているのがわかると思います。
なぜ後方を通るか?ですが、
描かれていない上半身が後方にあるとしましょう。
その場合、身体重心位置はおのずと後方に変位します。
この場合、床反力は足関節の後方を通る可能性が出てきます。
この場合、床反力は足関節を底屈位にしようとし、それに抵抗するように、
足関節の背屈筋群がずっと活動するようになります。
もし、足関節背屈筋群が過剰に働き続け、硬くなったとしましょう。
この場合、足関節は底屈方向だけ行きにくくなるのでしょうか?
足関節背屈筋群は、当然のように足関節を背屈します。
そのため、もし硬くなればその反対方向である底屈はしにくくなるでしょう。
じゃあ、背屈方向は硬い状態の筋肉でしやすいのでしょうか?
臨床で経験する多くの背屈制限は、教科書のような単純なものではないかもしれません。
この筋肉たちがつっかえ棒のようになって、背屈を邪魔するようなことはないでしょうか?
例えばかたまった筋肉は、滑走不全が起こり、筋肉の伸び縮みができにくい状態となります。
そのため、本来背屈方向ではなく、底屈方向で制限となりそうなイメージの背屈筋群でも、
足関節背屈時にうまく滑走することができずに、背屈制限を生み出すことがあります。
例えば下腿三頭筋を緩めても背屈制限に変化がない場合、本来のイメージとは反対である
下腿の前面を丁寧にリリースしていくことも必要かもしれません。
そして、そのかたまった筋肉は、筋肉だけがかたまっているだけでなく、その表層の脂肪組織、
さらには皮膚といった組織もかたまっているかもしれません。
それをイメージし、丁寧に取り除いてみてください。
今までよりもより背屈制限が改善するかもしれません。
次回は、より総合的に足関節背屈制限因子を考えていきたいと思います。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛