骨盤のアライメント②
次に、骨盤の高さを見極めます。
高さは、腸骨稜を触診します。多くの人が示指を当て、その自分の示指を基準とし、高さの左右差を診ます。
もし右が高ければ、右が「骨盤高位側」となります。よく臨床では骨盤高位側を基準とするので、高位側や高い側、あるいは低い側などを用いますが、骨盤低位という言葉は、あまり馴染みがありません。
骨盤のアライメント①では、骨盤の前方回旋から、前方の筋の硬さへのつながりを見極める触診でした。
今回は、骨盤の高さ=内外転の動きだと思ってください。
例えば、右の骨盤が高い場合、右の股関節では何が起きているでしょう?
右の股関節は左に比べ内転位なのか、外転位なのかという事です。
この場合、右の股関節は内転位となります。大腿骨に対して、骨盤が動いたパターンですね。教科書では、骨盤に対して大腿骨を動かしていますから、その反対の動きです。
骨盤に対して大腿骨が動くのか、大腿骨に対し骨盤が動くのか、というような「どちらが止まっていて、どちらが動いているのか。」をすぐに診られる力も大切です。
そして、例えばこの右の骨盤高位により、右の股関節内転位の場合、右の外側の組織が延ばされて固まることが多く見られます。
例えば、中殿筋前部線維、大腿筋膜張筋、外側広筋もそうです。この組織が引き伸ばされながら、固まる感じです。
本来歩行では、ICからMSt、TStまではこの立脚側の骨盤は高位となり、つまり(反対側と比べ)股関節内転位となります。
問題は、歩行時に過度に内転位が強くなると、外側の組織がどんどん硬くなってしまう原因になり、そしてそれが何かしらの痛みの原因になるということです。
歩行時、あきらかに外にお尻が出ていくことを「Sway」と言います。歩行中に、このSwayがあると、そちら側の外の組織は硬い可能性があるという事ですし、触診で外側の組織が硬い場合、歩く前に、「ここが硬いという事は、歩くときにSwayするかもな。」と予測を付けられるという事です。
なぜその組織が硬いかには、必ず理由があるという事なんです。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛