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上半身・胸郭のアライメント

Sway-back姿勢が引き起こす肩の痛み

【Sway-back姿勢が引き起こす肩の痛み】

 

Sway-back姿勢とはどんな姿勢なのか、みなさん整理できてきているでしょうか。

今回はsway-back姿勢が引き起こす不調の中でも、「肩の痛み」についてお話します。

 

まずは、sway-back姿勢のおさらいです。

 

基本的には、骨盤後傾で骨盤よりも胸郭が後方にあること、もしくは胸郭よりも骨盤が前方にあることSway-back姿勢と言います。

 

では、このSway-back姿勢となると上半身はどのような状態になるでしょうか?

 

骨のアライメントとしては

胸椎の後弯

肩甲骨前傾、外転位

上腕の外旋

前腕の回内

 

という運動連鎖が起こります。

 

それでは、その時の筋の状態はどうでしょう?

短縮部位で考えると、

前胸部(大胸筋、小胸筋)の短縮

前鋸筋の短縮

棘下筋、小円筋の短縮

腹直筋の短縮

などがおこってくることが想像できます。

 

前鋸筋の短縮

前鋸筋は第1-9肋骨から肩甲骨上角・内側縁・下角へ付着。胸郭と肩甲骨のアライメントに大きく影響します。

胸郭に対して前鋸筋が短縮すると、肩甲骨は外転します。

その反対に

肩甲骨が固定されて、前鋸筋が短縮したら、胸郭が後方に変位します。

胸郭が後ろに下がるとなれば、胸椎が伸展していては無理なので、後弯が強くなってきます。

 

そうなると、前胸部(大胸筋)も短縮してくることが想像できます。

大胸筋は鎖骨・胸骨・第2-6肋骨・腹直筋鞘から始まり上腕骨大結節稜へ付着してくる大きな筋肉ですが、この筋肉がずっと短縮位になってしまえば、上腕の動きを制限するだけでなく、鎖骨や肋骨の動きを制限することとなります。

いざ肩関節を動かそうとしたときには、鎖骨・肋骨・上腕の自由度はなくなり、スムーズな軌道では動かなくなってしまうでしょう。

 

更には、肩甲上腕関節を安定させる役割のある、Rotator Cuff

その一員である、棘下筋・小円筋の短縮です。

Rotator Cuff全体としても動きが悪くなることは想像できますが、

肩甲骨の棘下窩から上腕骨大結節へ付着する棘下筋、

そして肩甲骨外側縁から上腕骨大結節へ付着する小円筋が短縮すると、上腕が外旋してくるだけでなく、

これらの短縮した筋が壁のようになって、外旋しながら上腕骨頭を後ろから押し出し前に出していきます。

上腕骨頭の前方偏位の完成です。

上腕骨頭が前方偏位するということは、関節窩と上腕骨の軸が合っていないということです。

 

 

では、Sway-back姿勢によって起こりやすい筋の状況、アライメントを考えたうえで肩の動きを考えてみましょう。

 

肩甲上腕関節の関節面はすべての方向において非常に大きな可動域を得られるように保たれています。

肩甲上腕関節は球関節(ボールと受け皿の関係)であることで、人間の関節の中でも自由度の高い関節となっています。

ただ、その反面、代償として不安定性と安定させている筋に過度の負荷がかかってくる関節です。

つまりは筋によって、安定も不安定もなるということです。

モビリティである肩甲上腕関節は動こうとします。

動こうとしますが、うまく動くことができません。

上腕骨の軸があっていないんです。

肩甲上腕関節は、上腕骨頭と関節窩の軸があっていて自由に動ける。

受け皿からこぼれ落ちそうにのっているボールはうまく動けません。

そのようになっていれば上腕骨頭の「転がり」と「滑り」もスムーズにいかなくなります。

 

また「鎖骨の動き」や「肩甲上腕リズム」もSway-back姿勢を考えたら適正な動きは出ないでしょう。

 

 

この状態で、肩関節の屈曲を行えば、棘下筋や小円筋、大円筋等が過剰に伸張され肩関節の後方が痛くなる人や上腕骨頭の「転がり」・「滑り」がうまく行われず、前方で衝突するような痛みがおこりやすくなります。

 

外転では、大胸筋が局所的に過剰に伸張されたり、重なる筋との滑走不全により、前方での痛み。

屈曲時と同じように棘下筋、小円筋の伸張による後方の痛み。

「転がり」・「滑り」運動がうまくいかず、肩峰下での衝突するような痛み。

 

また上腕が外旋位である場合、三角筋後部繊維、外側上腕筋間中隔部分での滑走不全による痛みも起こりやすいです。

 

肩甲骨内側の痛みであれば、肩甲骨外転位によって、内側につく筋のエキセントリックが持続されることで痛みが誘発されているかもしれません。

 

 

これらのことから、Sway-back姿勢による肩周囲の痛み等がある場合は

・胸郭の位置

・胸椎の後弯

・肩甲骨の位置

・肩峰と上腕骨頭の位置関係

・上腕の回旋

を見たうえで

 

痛い動作、痛い部位から

何が問題となって痛みを出しているのか、そのストレスは何が原因なのかを見つけなくてはなりません。

例えばSway-back姿勢による肩の痛みであれば、骨盤の前傾を出さない限り治らないかもしれません。

局所を見て、全体を見て、局所を見る。

その時の痛みだけの改善ではなく、根本的な改善を見つけ、考えられるようにしていきたいですね。

 

スポーツラボ鍼接骨院 岩瀬 優子【鍼灸師・アスレティックトレーナー】

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