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上半身・胸郭のアライメント

Sway-back姿勢へのアプローチ

Sway back 姿勢へのアプローチ】

 

 

Sway back姿勢についておさらいしましょう。

Sway-back姿勢とバランス能力

Sway back姿勢が及ぼす『姿勢とジャンプ力』の関係

【Swayback姿勢と腹圧の関係による腰痛について】

 

ここではSway back 姿勢へのアプローチ方法を考えてみます。

 

シンプルにSway back 姿勢を考えると

骨盤後傾で骨盤よりも胸郭が後方にあること、もしくは胸郭よりも骨盤が前方にあることを指します

 

患者さん、クライアントさんはよくSway back 姿勢を猫背で背中が丸まり、頭やお腹が前につき出しているという表現をします。

 

この姿勢が痛みの原因とすればここに対してアプローチをしていけば痛みの改善に繋がります。

とはいってみたものの患者さん本人に

「背中丸まっているので胸をはって歩きましょう。」

「お腹を凹まして歩きましょう。」とアドバイスすることが適切かどうかは考えなければいけません。

 

なぜなら背中を伸ばしたところで余計に上半身の質量重心が後ろにいってしまい痛みを増悪させる可能性があるからです。

 

Sway back 姿勢へのアプローチは様々です。

 

 

ここでは胸郭の後方偏位、骨盤の後傾についてのアプローチ方法を考えていきたいとおもいます

 

 

【胸郭の後方偏位】

 

骨盤に対して胸郭は後方偏位

下位胸郭に対して上位胸郭は後方偏位ととらえます。

 

下位胸郭に対して上位胸郭の後方偏位は小胸筋や大胸筋、上方の前鋸筋を短縮位にします。

 

短縮位を改善させるのにリリース、ストレッチ、そして上位胸郭の前面を前方へ押し出すようなベンチプレス(ダンベルフライ)や腕立てが有効です。

 

ここではダンベルフライのやり方をお伝えします。

 

ベンチ台もしくはストレッチポールの上に乗って行います。

(前面の筋肉のエキセントリック収縮を出したいため。)

 

その時に下の写真のように下位胸椎が伸展しないように行うことが大切です。

なぜならSway back postureを治すためにおこなうからです。

 

下位胸椎が伸展位になってしまうと相対的にここでは上位胸郭が後方にいってしまいます。

それでは下位胸郭に対して上位胸郭を前方にいくことはなくなります。

 

もうひとつ注意したいのが肩甲骨を内転位にもっていけているかどうかです。

Sway back postureは肩甲骨が前傾、外転位になります。

そのため肩甲骨内転ができず、肩甲骨に対して上腕骨のみで水平伸展してしまい、肩関節の前面の組織を痛めてしまう可能性もあります。

 

 

Sway-back姿勢が引き起こす肩の痛みはこちらへ

 

 

【骨盤後傾】

 

骨盤後傾で短縮する筋肉は後方の殿筋群、ハムストリングスです。

これらの筋肉が短縮することにより骨盤を後方にひっぱり骨盤後傾になりやすいです。

 

逆に大腿直筋などの大腿前面の筋肉は優位に働いている状態です。

 

なので、狙いは「殿筋群、ハムストリングスの遠心制収縮制御」を行うことが大切です。

 

ここで行うことは

・殿筋群、及びハムストリングスのリリース(滑走の改善)

・殿筋群、及びハムストリングスのストレッチ(短縮の改善)

・殿筋群、及びハムストリングスのエクササイズ(遠心制収縮制御)

 

以上の流れをリリース→ストレッチ→エクササイズの順番でおこないます。

 

なぜなら、柔らかい繊維と硬い繊維が繋がっていて同時にひっぱることを想像するとわかる通り、硬い繊維(短縮位)の筋繊維は明らかに伸びにくいからです。

 

私たちのような治療家はハムストリングスの短縮位といっても上部の繊維の短縮なのか、もしくは下部の繊維なのか、はたまた内側の繊維なのかを見分けることが大切です。

 

ここを見分けることで次のストレッチ→エクササイズの効果が変わっていきます。

 

 

今回は殿筋群、及びハムストリングスのエクササイズ(遠心制収縮制御)の1つでもある

Hip lift ex をご紹介します。

 

イスに座り股関節の屈曲を最大限まで出し切った後

前足部に荷重をかけます。

 

 

そうすることでお尻が自然と上がります。

 

ここからさらにお尻をあげることでハムストリングスの遠心制収縮制御が働きます。

 

 

この時に股関節屈曲で骨盤を前傾させながらお尻をあげることがより効果的です。

 

下の写真のように腰椎が屈曲位にならないように注意します。

 

 

 

以上がSway back姿勢の上位胸郭後方変位、骨盤後傾に対する改善方法の1つになります。

 

本来であればこのHip lift ex後、スクワット動作で大殿筋下部を点で捉えるスクワットに移行していきます。

 

これらのエクササイズが必ずしもいい方向にいくとは限りません。

あくまでもSway back姿勢のアプローチの一部になります。

途中のダンベルフライのエクササイズで述べたように、1つのエクササイズをやるにしてもどういう目的でエクササイズを取り入れるのかがとても大切になってきます。

 

そこを理解したうえで我々はフォームを確認し、負荷を設定し、収縮を感じなければいけません。

 

そして思った通りにエクササイズができなかったとき、これもまた評価の一つになります。

 

ダンベルフライで大胸筋の伸長がでなかったとき、エクササイズのやり方を変更するのも1つの手ですが、そこになぜダンベルフライで大胸筋の伸長がでなかったのかも考え、さらに知識をだして改善することが我々治療家の役目だとおもっております。

 

 

 

 

 

アスリート鍼接骨院 瀬名川店 津ヶ谷 淳【鍼灸師】

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