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歩行時の上半身・胸郭

フォアフット走法の習得と重心位置について

【フォアフット走法の習得と重心位置について】

フォアフット走法,着地,習得

 

マラソン、ランニング界で何年前から言われているでしょう。

 

フォアフット走法、ミッドフット走法、ヒールストライク走法。

 

ランナーの方々はほとんどの方がご存知かと思いますが、

 

今日は重心の位置からフォアフット走法についてお話ししたいのと、

 

重心の位置が変化しないと基本的にはフォアフット走法にはならないことを

 

お伝えします。

 

■そもそもフォアフット走法とは?

 

フォアフットとは、足でいうと前足部をいいます。

 

前足部とは、医療の世界で下の図のように

前足部

踵骨と距骨から前を言う場合もあれば、

 

次の図のように、

前足部

中足骨より前を前足部という場合があります。

 

走り方をフォアフット走法、ミッドフット走法、ヒールストライク走法と

 

3種類に分けているので、後者の中足骨から前で着地するのをフォアフット走法だと

 

理解してください。

 

■フォアフット走法の何が優れているのか?

 

次に、フォアフット走法の何が優れているのか?

 

この走法の分類は1970年頃から言われていたらしいのですが、

 

速い人がその走り方だったという事がきっかけのようです。

 

医学的に言えば、ストレッチショートニングサイクル(SSC)という、

 

腱の反動により弾性エネルギーを生みだす方法がこのフォアフット走法だという事。

 

ここでの腱の反動とは、アキレス腱のことをいい、踵で地面に着いたときは

 

アキレス腱との距離が短いため、アキレス腱はうまく使われることがない。

(踵で着くという事は、足関節のかかる外部モーメントは底屈になりやすく、そうなると内部モーメント(筋力)は足関節を背屈させる方に働く)

 

踵での着地とは対照的に、前足部で地面に着けば、外部足関節背屈モーメントが働き、

 

内部足関節底屈モーメントにより、アキレス腱はうまく使えることになる。

 

といったことからフォアフット走法の優れている点は、筋力で走るのではなく、

 

アキレス腱という大きな太いバネを活かして走ることができるという事と言える。

 

 

※アキレス腱の強化になるアンクルホップと言われるジャンプはこちら↓

つま先からしなるように地面に着いて、その間にアキレス腱が伸ばされ、

強いバネが伸ばされたら戻ろうとするのと同様に、アキレス腱も戻ろうとしたときに、

ジャンプする力へと変わる。

 

 

■フォアフット走法はどのようにして習得するのか?

 

いつもヒールストライク走法の選手が、フォアフット走法を急に行うとどうなるのか?

 

答えはなんとなくわかると思うのですが、無理です。

 

無理というのは、なんだか抽象的なので説明していきます。

 

まずこの選手の走りを見てください↓

 

 

(R Nさんの動画を共有させていただきました)

 

非公認ながらフルマラソンで2時間を切ったというキプチョゲ選手。

 

誰がどう見ても、体幹(色々な言われがあるが、首より下で上肢下肢を除いた部分)と頭は前傾してませんか?

 

画面手前、キプチョゲ選手の前にいる選手と比べてみました。

 

 

分かりやすく、体幹から頭の中央に黄色でラインを引いてみました。

 

 

黄色の線の傾きがキプチョゲ選手の方が傾いているのがわかると思います。

 

そして、もう一つ見るべきポイントが足部と地面の接地です。

 

これは左足が地面に着いた瞬間にどちらも止めています。明らかに2人の差はありますよね。

 

そして、この体幹の前傾と足が地面に着く位置の関係が今回のポイントとなってくるわけです。

 

次の写真を見てください。

 

 

 

これは同じ写真に床反力を付け加えた写真です。

 

体幹が前傾していれば、身体重心はもちろん前方へ。

 

そして体幹が後傾していれば、身体重心は後方へ行くわけです。

 

そうなると、体幹の前傾は踏み出した足により近い位置に重心が来るという事になります。

 

次の写真は身体重心にかかる重力を描いてみました。

 

 

こう見ると、明らかな違いを分かっていただけるかと思います。

 

なんとなく勘のいい方ならわかっていただけると思うのですが、

 

重心が後ろにある時に足を振り出した場合、つま先で地面着くことができますか?って話です。

 

どう考えても踵着くしかないんです。

 

これは、人間の体の構造上仕方ないんです。

 

となると、どのように習得すればいいのですか?の答えは、

 

体幹を前方に傾けるということになります。

 

なんてシンプルなんでしょう。

 

■体幹を前方にするには

 

シンプルでした。答え。

 

体幹を前方にすればいいんです。

 

ですが、ただ傾ければ完成!なんて話ではありません。

 

ここがまた面白いんですが、

 

問題は腕振りにあります。

 

腕振りについてはこちらを必ず先に読んでください。

ジョギング・ランニングの腕振りが走行スピードに与える影響

 

この『ジョギング・ランニングの腕振りが走行スピードに与える影響』

 

で書いたのはこちらです↓

 

・ジョギングやランニングの腕振りとは胸郭の回旋から

・歩行時もジョギングもランニングも上位胸郭と下位胸郭は逆回旋する

・その逆回旋が歩幅を生み出す

・スピードはピッチ×ストライド

・それらを上げたいのであれば、肘を屈曲し、胸郭で回旋をすること

 

ということは、肘の屈曲角度を浅くし、胸郭で回旋すると「いい腕振り」と言えます。

 

このいい腕振りは、腕を後方に振る時のGH(肩甲上腕関節)と肩甲胸郭関節の可動域だけでなく、

 

胸郭の後方回旋もプラスされるので、逆側の腕と胸郭は前方に出やすいわけです。

 

肩甲骨の柔軟性が一番大切!と誰かが言っていたら、それも大切だが胸郭の柔軟性も大切なわけです。

 

この写真を見てください。

 

 

胸郭の回旋量の違いが分かると思います。

 

そうなると、やはりストライドにも差が出るのも確認できます。

 

この写真でいう、前方に出た左上肢と左胸郭分の質量は体幹の前傾を保つのにもってこいなわけですから、

 

自然と体幹前傾もしやすくなります(下の写真をチェック↓)。

 

なので体幹前傾を獲得するには、良質な胸郭の回旋が必須になります。

 

 

 

 

■まとめ

・フォアフット走法とは中足骨より前で着くことを言う

・フォアフット走法の優れている点は筋肉ではなく腱のバネを使う

・腱のバネとはアキレス腱のことをいいアンクルホップという運動で強化できる

・フォアフット走法を習得するには体幹前傾が必要

・体幹前傾するには腕振りをまず習得する事

・腕振りを習得するには胸郭の回旋が必須

・胸郭の回旋と体幹の前傾でフォアフット走法の習得につながる

 

 

 

 

髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】

Athlete Village浜松代表

アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な筋力強化、そこからアスリートのパフォーマンスアップまでを組み立てる力は、業界でも群を抜いている。
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛みを根本から取りたい92歳まで、一人ひとりの目標に合わせ幅広く対応。動きの中 から痛みの原因を探り、それを解決し、アスリートには動きの中からパフォーマンスアップに必要な問題点を改善する。その腕を信じ、県外からもクラ イアントが多数訪れる。

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