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上半身・胸郭のアライメント

【呼吸と姿勢の関係】

【呼吸と姿勢の関係】

今回は、呼吸と姿勢の関係についてお話ししていきます。

トレーニングや、リハビリを指導される先生はドローインや腹式呼吸などクライアントさんや、患者さんに指導することがあるのではないでしょうか。

「腹圧」とは腹腔にかかる圧のことを言います。腹腔は、上部を横隔膜、下部を骨盤底筋、後部は多裂筋群、側方から前にかけては腹横筋で覆われています。

これらがうまく働くことで腹圧が高まると言われています。

腹圧が高まると体幹(幹)が安定し、上肢や下肢(枝)に力が伝わりやすくなり、力が発揮されやすい、可動域が得られやすいということになります。

そして、腰部や、股関節などの痛みに対しても腹圧が高まることにより腰椎が安定し、回旋動作に弱い腰椎を守ってくれます。

そんな腹圧を高めるためには呼吸時の正しい肋骨の動きが重要になってきます。

では胸郭の動きから見ていきましょう。

 

以前このコラムの中でもお話ししていますが、よくいわれる機能としては吸気の際に上位胸郭はポンプのように前面が上がり膨らみます。それを『Pump-Handle motion』と言います。

これに対して、下位胸郭はバケツの取っ手のように左右に広がり膨らみます。これを『Bucket-Handle motion』と言います。

肋椎関節は肋骨の肋骨頭と胸椎の肋骨窩からなる肋骨頭関節と、肋骨結節と胸椎の横突肋骨窩からなる肋横突関節の2つから構成されています。

 

その2つの関節の中心を軸とした回転運動をします。

 

胸椎と横突起の関節は胸椎が下位になるにつれて横突起の後方への開きが強まります。

そのため、運動軸の方向が上位と下位で異なり、上位は前後径の動きを、下位は横径の動きをすると言うことになります。

肋骨には肋間筋や腹斜筋などたくさんの筋肉が付着していて、その筋肉がうまく働くことで肋骨の正しい動きができます。

 

今回はその中でも呼吸をつかさどる最も重要な呼吸筋である横隔膜について取り上げていきましょう。

横隔膜は、静止時呼吸の70~80%の仕事量を担っていて、残りの20~30%は他の筋肉が担うとされているほど、主な呼吸筋です。

 

横隔膜

【起始】

胸骨部 剣状突起の後面

肋骨部 第7~12肋軟骨な内面

胸椎部 第1~3腰椎、前縦靭帯

【停止】

腱中心

【作用】

呼吸、腹腔内臓への加圧を助ける

吸気の際には収縮し、中心が下がり胸郭が広がり空気が入り、呼気の際には弛緩し中心が上がり空気が吐き出されます。

 

これが横隔膜の正しい動きになりますが、先程のようにうまく胸郭が動かなければ、この動きも制限されることになります。

制限される1つの原因として『rib flare』あります。

 

rib flareとは、胸骨下角が90度以上あり肋骨が浮き上がった状態のことを言います。

左右に出ていることもあれば片方だけ出ている場合もあります。

言葉にするとなかなか伝わりにくいとは思いますが、とにかく触診してみると浮き出ているという感覚がわかると思います。

Backet-Handle motionには、横隔膜の下降が絶対条件になるのですが、このrib flareがあると横隔膜の下降があまり起きなくなってしまいます。

 

そうなると、下にある内臓を圧迫できないなどの問題も出てきます。

ではどんな人がこのrib flareになっているのでしょうか。

 

swayback posterの場合ですね。

 

 

想像してもらえば解りやすいと思います。

いかにも下位の肋骨が浮き上がってきそうじゃないですか?

間違いなく、上半身にも影響を与えてしまいます。

さらには、普段何気なく行っている呼吸にまで影響を与えてしまっているんです。

 

そしてもしrib flareの方が何かの競技のパフォーマンスアップをしたいとしたら、胸郭が得意としている回旋の動きまで制限をかけてしまっている、ということになるのでパフォーマンスをも悪くしてしまっている可能性がある、というところまで繋げていければいいと思います。

 

 

体幹の回旋動作についてはこちらを参考にしてください。

スポーツ動作に多い『体幹の回旋』

 

カップリングモーションについてはこちらを参考にしてください。

カップリングモーションと動きを考える

 

 

胸郭の回旋を出すために回旋のストレッチやトレーニングを一生懸命やっていても、実はまずは胸郭(肋骨)の動きを出してあげてからの方が回旋の可動域が出やすいのかもしれません。

 

可動域制限が起こっている場合に、どこからアプローチしてあげれば動きが出やすいかを考えていけば、さらに早期に動きを出すことができるのではないでしょうか。

ぜひたくさんの方の胸郭(肋骨)の動きを確認してみると、また1つアプローチの幅が広がってくるのではないかとが思います。

いろんな角度から患者さん、クライアントさんを診れるようにしていきたいものです。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

増田 鮎美(ますだ あゆみ)【柔道整複師】

アーチ鍼灸整骨院/Aathlete Village

 

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