肩甲骨のアライメントチェック
【肩甲骨のポジションをみることは正解であって、間違いでもある】
例えば、肩甲骨の内転・外転。
背中に肉眼で映し出される事実を評価して、それに対してのアプローチを行う。
それは非常にシンプルで、そして間違いのないことだとも思います。
きっと、脊柱を中心にそこに対して、約4横指を基準にして内側にあるのか? それとも外側にあるのか?
の判断を多くの先生がすると思います。
もし、肩甲骨が動いているのではなくて、土台の胸郭がくるっと回旋していたらどうなるのでしょうか?
〈上から見たまっすぐな胸郭〉
〈胸郭のみ左回旋させた図〉
この図は肩甲骨を全く動かさずに、胸郭を左に回旋させた図です。
右の肩甲骨は内転位となり、左は外転位と評価できるはずです。
この評価を、肩甲骨だけで終わらせるとどうなるのでしょうか?
右の肩甲骨を外転位にしたくなり、左を内転位にしたくなるのだと思います。
胸郭の回旋を無視して・・・。
その無視された胸郭の回旋は、頸椎の回旋ももちろん引き起こすことでしょう。
この地球では、重力の元生活しているため、頸椎は下肢・骨盤・胸郭などで構成された姿勢を、最後のピースとしてバランスをとる場所だと思います。
なので、Sway-back姿勢の人は、頭部が前方変位する。Sway-back姿勢のまま頭部が後方にあれば、どんどん後ろに倒れますからね。
頸椎の事を考えても、無視できない場所と言えるでしょう。
肩甲骨は、下位胸郭ではなく上位胸郭の上に浮いている骨です。
そうなると、上位胸郭の回旋をしっかりみてから、実際にどのようにアプローチしていくかを考えてみるのはどうでしょうか?
肩甲骨の、「そう見えてしまっているアライメント」は土台である胸郭がもたらしたものと考えてもいい場合もあると思います。
ウォーキングでの腕振りの左右差が、
陸上での腕振りの左右差が、
ベンチプレスでのつらいときのシャフトの上がり方の左右差が、
バスケットでのシュートの肘の開きが、
ラグビーでのタックルの際の脱臼位の癖が、
もし、肩甲骨から腕にかけてのアライメントのせいで起きているのではなく、土台の回旋で解決するのであれば、
僕たち治療家が見過ごしているだけだとすれば、患者さんのために、クライアントさんのために上位胸郭の回旋を見直してみるのもいいかもしれませんね。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛