脊柱を見抜く
【胸椎の伸展?屈曲?】
目の前の患者さんの脊柱、正しく評価できていますでしょうか?
このサイトで何度も話させていただいているSway-back 姿勢。
こちらをどうぞ↓
Sway-back姿勢とバランス能力
ざっくり話すと、「骨盤後傾で胸郭に対して骨盤は前方変位」がSway-back 姿勢です。
さて、この姿勢。
胸椎部は一体どうなっているのでしょうか?
実は、患者さんによって違います。
これは全員同じではありません。
いくつかヒントになるお話しをします。
■Sway-back 姿勢は通常胸椎が屈曲する
Sway-back 姿勢は胸郭に対して骨盤が前方に変位しているので、胸郭は後方ということになります。
胸郭とは、胸椎・肋骨・胸骨です。
多くの場合、胸椎は後ろに行き過ぎないように「屈曲」してバランスを取ろうとします。
なので、本来の胸椎の生理的弯曲よりは屈曲が大きくなる、胸椎屈曲位となります。
そうなると、前胸部などは短縮位となり、背部は伸張位となり見た目は背筋がしっかりしているように見えると思います。
多くの方がこのパターンかと思いますが、もちろん臨床では様々な方がいらっしゃいます。
■女性に多い傾向の胸椎伸展位
骨盤が前方にあるので全員が胸椎屈曲かというと、そうでもありません。
ようは、屈曲が胸椎で一番多くなくてもいいわけです。
たとえば、C7で屈曲が一番大きい場合もあります。
胸椎までは骨盤よりも後方にあるが、じつは緩やかに伸展していて、頸部から頭部を前方に持ってくることで重心位置を安定させている人もいます。
この場合は、生理的弯曲から胸椎も頸椎も逆転してしまいます。
胸椎の伸展、頸椎の屈曲。
もし、Sway-back 姿勢だから胸椎は屈曲位だなと相手のアライメントを見抜かずに判断したとすると、手技やエクササイズは全く逆方向のアプローチになりかねません。
本来、屈曲位がきつい胸椎は伸展する必要があり、伸展位がきつい胸椎は屈曲する必要があります。
胸椎の伸展がきついので、頸椎で屈曲位となり、俗にいうストレートネックとなっているかもしれません。
皆さんが普段やっている腰の反りの量などをみるチェック方法(壁際に立たせて、腰のそりの量を見たり)にもう一つ見る個所を増やして、胸椎の伸展や屈曲を見ることで、解決する痛みもたくさんあると思います。
胸椎の伸展位は、肩甲骨内側縁が浮きやすくなるのは当然です。
胸椎の伸展位を見抜けずに、肩甲骨を翼状肩甲と判断するのもおかしな話ですからね。
より細かく、より多くの評価を増やしていくことが患者さんの痛みを減らすことかと思います。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛