胸椎の伸展って、腰椎の伸展?
【見抜けていない恐ろしさを感じること】
胸椎が伸展している。
腰椎も伸展している。
いい姿勢なのでしょうか?
腰椎も胸椎も伸展していることは、いったい何をもたらすのでしょうか?
今日はそこに着目してお話させていただきます。
多くの患者さんが陥っている「いい姿勢」があります。
それが、腰椎伸展・胸椎伸展の「いい姿勢」です。
そして、ここにもう一つ最大の問題点があります。
こちら側、治療家・トレーナー側がこの姿勢を見抜けていないことがあるという大きな問題点です。
この姿勢を見て下さい。

この姿勢、これが胸椎伸展・腰椎伸展姿勢です。
この姿勢、当然ですが様々な問題が起きてしまいます。
◇問題点とは?◇
1.胸椎伸展・腰椎伸展はじつは腰椎屈曲位が多い
2.生理的後弯からの逸脱により、胸椎は回旋制限を受ける
3.歩行・走行で各関節にかかる負担が実は大きい
この3つを説明していきます。
1.胸椎伸展・腰椎伸展はじつは腰椎屈曲位が多い
これは、胸椎・腰椎ともに伸展ですが、大切なのはどちらが元の状態より伸展位が強いのかであり、
どちらが比べて伸展位なのかがとても大切な考え方になってきます。
もともと生理的後弯の胸椎は、フラットな状態ですでに伸展位が強いことを意味します。
そして腰椎は、もともと生理的前弯で、フラットな状態ですでに屈曲位が強いことを意味します。
先ほどの写真のように、胸椎伸展が強く胸を突き出すような姿勢は、腰椎伸展だとしても結果的に
胸椎の方が伸展していることになり、腰椎は相対的に屈曲位となります。
これは、L3が反りの頂点であるはずの腰椎は前弯が保たれているのではなく、やや屈曲位になっているということです。
そして、このタイプの患者さんは、腰痛で悩む方が多い。これを治療家が骨盤前傾・腰椎伸展の反りが強いがための痛みと勘違い
している場合が多く、いつになっても痛みが実は引かない例が多いのも特徴。

2.生理的後弯からの逸脱により、胸椎は回旋制限を受ける
胸椎の特徴は、「回旋」です。頸椎の方が回旋量でいうと多いのですが、胸椎・胸郭の問題は、上肢がここにつくことでしょう。
多くの方がすでにご存じかと思いますが、腰椎・骨盤がしっかりと固定されていなくてはいけないのに対し、その上部に位置する胸椎は可動しなければいけません。
これが交互に混ざり合っているのが体でした。 例えば骨盤・腰椎が安定を求められ、その上下の関節である胸椎、股関節は可動性が求められとなります。
さらに、肩甲骨は安定、そして肩関節(GH)はまた可動性となるわけです。
じゃあ、上肢の動きに大切なのは、肩関節・胸椎の可動性と、肩甲骨の安定性となります。
胸椎は、生理的後弯があるから回旋がしやすい関節構造になっています。
これが胸椎伸展していると、関節がロックされて回旋は行われません。
そして、それでも上肢を使わなければいけないとなると、肩関節が可動域がですぎるか、本来固定された状態の肩甲骨を動かすかになってしまいます。
このアライメントの患者さんは、脊柱付近の痛みを訴えるだけでなく、上肢を使う運動、スポーツでの障害につながりやすいということです。
3.歩行・走行で各関節にかかる負担が実は大きい

先ほどの写真に、身体重心、上半身質量中心・下半身質量中心を書いてみました。
例えば、こんな姿勢の選手がいたとします。
走るとどうなると思いますか?
答えは、このままです。
本人は胸椎の伸展により体は起きていると思っているので、こちらが見ると前傾しているように見えます。
ですが、本人はまっすぐ走っています。
例えばこのタイプで起こり得そうなことは、
このまま、走り続けると床反力は膝の全面を通り、膝は過伸展方向に促されます。そしてそれを止めようとハムストリングスが収縮します。
ハムストリングスの張りが取り切れない選手は、このタイプにも多く見られるということです。
次にこの写真を見て下さい。

(You Tube 桐生祥秀9.98(⁺1.8)決勝 男子100m日本インカレ陸上2017 日本人初の9秒台より 画像を使わせていただきました)
これは、9.98を出した時の全体を映した写真です。
パット見て、胸椎の伸展している選手がいると思います。
骨盤が前傾していても、胸椎が伸展していれば、結果的に地面からの床反力はうまく身体重心に返ってくることはないということが言える写真です。
今まで、腰椎の伸展、骨盤前傾だと思っていた先生。
床反力、重心位置を考え直し、勉強しなおすだけでどんどん本当の答えが見えてくる時があります。
何かの参考になればと思います。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛











