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足部のアライメント

足関節捻挫後に残る足関節背屈時痛、つまり感について

【足関節捻挫後に残る足関節背屈時痛、つまり感について】

 

捻挫はスポーツに携わるうえで必ず向き合うことになる障害です。

中でも足関節の捻挫はかなり高い頻度で出会うものではないでしょうか?

 

皆さん、捻挫をした選手が来院した時のことを思い出してみてください。

 

しっかりと固定管理をし、治療、リハビリをしっかりとやってもらい治癒過程も順調、スポーツへの復帰スピードも上々、再発防止のトレーニングもばっちりこなし、治療を終え笑顔で帰る選手をお見送り…理想の形ではないでしょうか?

 

しかしながら治療にはいつもイレギュラーが伴うもので、難航する場合もあるかと思います。

特に治療の終盤、気持ちよく治療を終えたい思いとは裏腹に、「最後までしゃがみこむと少し痛いですね…」「先生、痛みはいいんですけどなんか足首が詰まる感じがして」と言われてしまうことはありませんか?

 

私自身、理由がよくわからないときは大変悩まされました。

このような経験をされた先生方は多くいらっしゃるのではないかと思います。

 

今回はそんな足関節捻挫後に残存する背屈時の症状について書かせていただきます。

 

はじめに、足関節捻挫(内反捻挫)をした際に起こる変化について整理していきましょう。

 

まず足を捻ると、足関節には内反・底屈が強制されます。

その際、距骨は内旋・底屈方向へと持っていかれ、前脛腓関節を関節内から押し広げる形で前外方へと移動します。

 

これは関節包内で起こるため、関節包も前外方が広げられることによって、対角線上の内側後方の関節包内の内圧が変化します。

それによって、内側後方の関節包が内包へと引き込まれ、距骨が正常位置に戻ることができず、関節軸が通常のものから逸脱します。

 

ここはイメージが湧きにくいところですが、例えるならば、

呼吸するときに横隔膜が下方に下がることによって肺内が体外よりも陰圧になり、空気が肺に入ってくるのに似ています。

 

足関節では空気が入ってくることはありませんが、関節包自体が引き込まれてしまうのです。

 

そのため、この段階で軸を合わせておかなければ、足関節の背屈時の痛みやつまり感を残しやすくなってしまいます。

 

しかしながらこの処置をやったのに症状が残存した、もしくは受傷後時間が経ってから来院されたため、処置が不完全になってしまった、というパターンも多いかと思います。

 

では、その場合はどこに着目すれば良いのでしょうか?

 

足関節捻挫の際、アライメントに変化があるのは距腿関節だけではありません。

関節窩を形成している脛腓関節もアライメントが変化します。

 

先ほど申し上げたように、距骨は前脛腓関節を押し広げる形で関節軸から逸脱します。

この時、足関節が底屈・内反しているため腓骨は外旋位となり下方に下がります。

 

そしてさらに押し広げられるため、より外旋させられます。

 

足関節が背屈する際、腓骨は内旋し、上方へ上がります。

 

そのため、この状態で固まってしまえば背屈制限を起こしてしまいます。

この場合、手技治療やテーピングなどでアライメントを整えることによって症状の軽減を促すことができるかもしれません。

 

捻挫時の足部の詳しい動きについてはこちら→足関節捻挫の受傷機転とメカニズム

 

 

この他にも、そもそもの足のアライメント異常によって捻挫後の足関節の背屈症状が出現する場合もあります。

 

例えば、第1リスフラン関節(以後 1Lis)が底屈位で拘縮しており背屈可動域が足りない場合などは足関節の背屈制限に拍車をかけてしまうかもしれません。

 

荷重位で足関節を背屈する際、足部は以下のような動作をします。

・ST回内

・距骨:底屈、内旋

・MT外転、回外

・1Lis背屈(回外、外転)

 

しかし1Lisが底屈位で拘縮している場合、

・ST回外

・距骨:背屈、外旋

・MT内転、回内

・1Lis底屈(回内、内転)

 

となり、背屈するときの動きとは反対になってしまいます。

 

そのため1Lisが底屈位拘縮している場合、上行性運動連鎖が変化し、結果として足関節の背屈は制限されてしまいます。

1Lis底屈位拘縮例

 

しかしこのようなアライメント異常は負傷時に発現したものとそうでないものが存在します。

そのため、発見したアライメント異常がどちらに該当するのかを見極めることがとても大切です。

 

その他、1Lisの異常肢位がもたらす影響についての記事はこちら

【ハイアーチによる足関節背屈制限と歩行の関係について】

リスフラン関節と偏平足

 

どのような症状でも、初めは結果が出ても徐々に変化が少なくなって行くことが多いかと思います。

 

今回は身近な足関節捻挫をテーマにお話しさせていただきました。

ご紹介させていただいたものは現場でよく遭遇する症例ですが、もちろんこの例に該当しない患者様もいらっしゃいます。

 

その場合私たち治療家に何ができるでしょうか?

 

普段から患者様のわずかな身体の変化に対する私たちの「きづき」があるかどうか、それが治療の結果を大きく左右しているのかもしれません。

 

ご精読ありがとうございました。

 

 

スポーツラボ鍼整骨院 滝ノ水

柔道整復師 安藤 麟

 

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