ジョギング・ランニングの腕振りが走行スピードに与える影響
【ジョギング・ランニングの腕振りが走行スピードに与える影響】
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ジョギングやランニングフォームはたくさんの走り方、個性があります。
これは学んできた過程や、もともと持っているもの、あとは自分自身のイメージを持っている感じでしょうか。
フォームがどうとかはここでは語りませんが、
力学的に診たときに、腕振りとジョギング・ランニングがどのように関係してくるのかをお伝えします。
そして今回のを理解するうえでこちらの記事を先に読むことをお勧めします↓
これを読めば、歩行とジョギング・ランニングが似てくるのがわかると思います。
■腕振りはどこから動くのか
腕振りとは、みなさんどこから動いているか考えたことがあるでしょうか。
一般的には、上腕から前腕、そして指先までを見て、腕を振っている、振っていないと見るでしょうか。
実際の腕振りは、胸郭から動きが発生します。
コチラの記事でも話していますが↓
胸郭は、歩行時に上位胸郭と下位胸郭で回旋を生みます。
これは、下肢という重いものを前に振り出した際に、逆回旋するものがないと回る方向へ力が働いてしまうからです(角運動量保存の法則)。
ということは、歩く時の歩幅が大きくなればなるほど、胸郭の逆回旋も大きくなるという事になります。
そして、腕振りが胸郭からの理由のもう一つに、腕だけの重りでは本来足の重りに重さが負けるので、それ以上の質量で同等の重さにしなければいけません。
『ここの理解がないと、上位胸郭と下位胸郭では歩行時逆回旋になる。』という丸暗記になってしまいます。
■ジョギングとランニング時の腕振りは?
ジョギングとランニング時の腕振りは基本的には歩行と同じと考えます。
そうなると、胸郭の回旋は必要になるという事です。
だがしかし、多くの日本人ランナーは胸郭の回旋を使わない代わりに、
GH(肩関節・肩甲上腕関節)から腕を振ります。
日本人ランナーのユーチューブです。
違う選手もいますが、胸郭の回旋なく腕を振るという事は、
下肢の重さを腕の振りと、やや脇を開いて、肩関節を外転し、
水平面の方向で力をキャンセルさせようとしているのが特徴です。
こちらはあの選手。
肘の屈曲角度をしっかりと保ち、体幹に密着させ、胸郭の回旋を出しているのがわかると思います。
このように、本来の考え方から言うと歩行とジョギング、ランニングは何も変わらないはずなのです。
■スピードは何が影響するのか
では、スピードは何が影響するのか?ですが、
この地球上で生きている限り重力の影響は受けます。
そして、硬い地面は床反力を生みます。
体重と、重力、そして動きによる質量の増加をいかに、床反力をもらいながら、前に進めるように力を転換するかがポイントになります。
となると、地面からの反力を受けて、うまく進むための筋力は最低限必要になってくるはずです。
そして、今回の本題である胸郭の回旋。
歩行スピードを上げると、みな一様に手と足を大きく振ろうとします。
そして肘を伸ばしているより、曲げるほうが楽なことに気が付きます。
競歩がまさにそうですね。
それをできるだけ早く行います。
という事は、早さと大きさ、いわゆるピッチ×ストライドになるわけです。
何度も言いましたが、ジョギング・ランニングも同じです。
そう考えると、腕振りは肘を伸ばしているよりは、曲げているほうが楽だし、
その方が、ピッチが上がってくるはず。
さらに、ストライドは必要なわけで、それには、下肢の振出しと同じ質量が逆回旋すればよいわけなので、
胸郭の回旋が必要となるわけです。
■まとめ
・ジョギングやランニングの腕振りとは胸郭の回旋から
・歩行時もジョギングもランニングも上位胸郭と下位胸郭は逆回旋する
・その逆回旋が歩幅を生み出す
・スピードはピッチ×ストライド
・それらを上げたいのであれば、肘を屈曲し、胸郭で回旋をすること
YouTubeにてこの記事の解説も詳しくしています。
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髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
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