胸郭と歩行2
【胸郭の回旋は肩関節の痛みを出すこともある】
もし肩の痛みが歩行のしすぎでなるとしたら?
胸郭は必ずしも常にまっすぐの状態をしているわけではありません。
どんな人でも、左右への回旋が伴う事を知っておくと、もう少し体を診る幅が広がると思います。
では、胸郭の回旋によって肩関節はどうなるのでしょうか?
【胸郭が右回旋している図】
上記の写真は、上から見て胸郭が右に回旋している図です。
肩甲骨を見てください。
右の肩甲骨は外転しているように見えると思います。
左は内転位。
もし、この状態で肩甲骨の可動性が失われていたとしましょう。
どこで腕を振ると思いますか?
ちなみに、、、、、
肩甲骨の可動性を多くの方々が話されると思いますが、そもそも胸鎖関節と肩鎖関節の動きの結果、
肩甲胸郭関節の動きになるという前提がありきなのでもう一度そこを考えるのは大切ですよね。
さて、腕を振るという話ですが、
肩甲上腕関節になりますよね。
そして、肩甲骨の内転可動域のない状態での腕振りは間違いなく何かが起こります。
肩関節の伸展時、上位胸郭は右回旋します。
歩行時の胸郭の動きはこちら↓
なので、この姿勢の方向とあうので、右回旋しやすいと思います。
でも肩甲骨内転がでないので、肩甲平面は前方を向くと思います。
【肩甲骨の関節窩が前方を向く図】
そして、上腕骨だけ伸展。
単純な肩関節の伸展がしにくそうなのはイメージできると思います。
もし肩甲骨の可動域が保たれていれば、肩甲骨は内転することで関節窩は前方から後方へ移動し、
体に対して平行の位置まで来ることで、上腕骨頭は関節窩上をスピン運動すればいいだけです。
【肩甲骨が内転位で関節窩が外を向く図】
ですが、関節窩が前方を向くことでそれが出来ずに、肩甲骨に対して相対的に上腕骨は外旋位を強いられます。
その状態での伸展は、より肩関節の後方組織を短縮させます。
それにより、上腕骨頭は前方へ押し出されることとなり、肩甲上腕関節の前方組織は伸張ストレスがかかる事となるわけです。
この状態での腕振りをたくさん繰り返すことは、もしかしたら前方組織のストレスを与えることになるかもしれません。
もし、これが歩行ではなく、走行だったら?
より強い腕の振りを強いられるので、よりストレスがかかる可能性があります。
胸郭の回旋を診るという事は、今目の前で肩の痛みで困っている方を救う一つのヒントになるかもしれません。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛