距骨下関節の回外は踵骨回外、距骨外旋・背屈
【距骨下関節の回外がもたらすもの】
距骨下関節回外。
この動きをくだいていくと
踵骨の回外、距骨の外旋・背屈となります。
距骨の外旋とは肩関節の自然下垂位(1stポジション)の外旋と全く同じです。
距骨下関節の回外は、踵骨にたいして距骨が外方に突出することになります。
この時の、距腿関節との関連からお話しします。
距腿関節は、距骨下関節回外時相対的に内旋・底屈位となります。
前回は距骨下関節回内の話を詳しくしています。その真逆です。こちら↓
距腿関節の軸が、真横ではないので底屈時に内返しの動きになります。
そのため、脛骨・腓骨で構成される距腿関節の凹面に対して、距骨は内旋するし、底屈します。
言い換えると、距骨下関節が回外するということは、距骨に対して下腿が後傾して、やや外旋するということになります。
この距骨下関節の回外、メリットは何でしょうか?
じつは、脚長差を自然と埋めることをしてくれているものでもあります。
もし何らかの問題で脚長差があったとします。
距骨下関節の回外は、回内に比べて、高さが高くなります。ということは、脚が短くなっている側がもしかしたら、それを補おうとして回外位になっているかもしれません。
高さが高くなる理由は非常に簡単で、回内時踵骨に対して距骨は、滑り台から滑り落ちるように、内旋と底屈をします。滑り台から滑り落ちるわけですから、地面に近づきます。
この反対に回外は、滑り台の上に登り切っている状態ですから、踵骨の上にしっかりと距骨がいるので高さが出ます。
もし、この回外が自然と体のバランスを取ろうとやっている行為だとしたら、これを崩したらどうでしょうか?
距骨下関節回外側とは反対の足を、距骨下関節が回内しているからアーチを上げようと、回外位にもっていったら、せっかく代償してやっている回外は、何の意味も持たなくなります。
まずは、距骨下関節の回外と回内では脚長差が出るという知識を頭に入れておくのは必要だと思います。
次に、剛性が高まるのもメリットです。
この2つを必ず読むことをおススメします。理由はここに書いてあります。こちら↓
この剛性は歩行で必要になるので大切です。
じゃあ、デメリットは?
デメリットと書くと語弊があるかもしれません。
なので、特徴ととらえてください。
この特徴は、しゃがみにくいです。
単純ですが、距骨下関節の回外は、距腿関節との運動連鎖で、下腿は後傾し、距骨よりも外旋しました。
しゃがむという動作は、下腿の前傾をともないます。まったくの逆になるわけです。
しゃがまなければいけない環境の人、ジャンプの着地が多い環境の人たちにとったら、これは変化させるほうがいい特徴かもしれません。
ということは距骨下関節回外位は俗にいう「足関節背屈制限」を生みだすということです。
本来の背屈は距腿関節の外返しですから、その真逆のこの状態は背屈制限となります。
それにより、前方に重心が移動できずに、後方化が起こり、ハムストリングスに負担がかかる場合や、背中の痛み、半月板前角へのストレスなど様々なことを考えさせてくれます。
いつも言いますが、大切なのは症状に対しての原因を突き止めることなので、そのためにここで書いている知識をヒントに活用していただけると、いいと思います。
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛