【シンスプリントと距骨下関節回内ついて】
みなさんシンスプリントの痛みが改善せず悩んでいませんか?
私たちの治療院にくる患者さんは多くの場合、何カ月も前から痛みや違和感が続き、練習量の増加によって急激に痛みが出現したという患者が多く来院されます。
そしてそんな痛みの出現からシンスプリントはよくOveruseが原因といわれます。
安静にして症状が緩和されたとしても、運動を再開した頃に、シンスプリントの再発・症状増悪する選手がほとんどなのではないでしょうか?
私が学生のときにもシンスプリントで悩んでいる選手が多くほとんどの選手がいつしか完治することを諦め、その痛みをコントロールしながらスポーツをしていました。
果たして本当にoveruseだけが原因で痛みをよくするのには安静が一番なのでしょうか。
シンスプリントやオスグットも同様に成長期で骨が成熟していないから痛みがでるのはしょうがないことなのでしょうか。
じつは、
overuseの裏には、本当の原因となる機能的問題が潜んでいます。
その機能的な問題を理解しシンスプリントが発症する本当の原因・機能低下やその動的問題点を見極め、改善することができたら多くの患者さんを救えるのではないでしょうか。
今回はそんなシンスプリントの改善点を足部の形態から紐解いていきます。
シンスプリントの痛みは脛骨中央から遠位1/3の内側後方を中心に疼痛を有することが多いです。
そして脛骨内側の疼痛好発部位は長趾屈筋の過収縮により後脛骨筋との交差部で滑走障害を引き起こすことが原因だとも言われています。
簡単にまとめると脛骨の内側で捻じれ(ぞうきんが絞られている感じ)のストレスがかかっているということです。
実際現場でみるシンスプリントの患者さんは痛みの疼痛部の皮膚や筋膜がけん引され薄くなっているように感じます。
照明に照らされピカピカひかっているイメージです。
ではそのストレスはどのようにかかっているのでしょうか。
足部の動きとそれに連なる下腿の動きを結び付けて考えてみます。
シンスプリントの足部の動きには大きく分けて2つのパターンがあります。
足部の回内パターンと回外パターンです。
今回はより現場でも多く遭遇する「回内パターン」で説明します。
何度もコラムででてきた足部の動き
初めて見る先生はこちらをご覧ください。
回内足の典型的なパターンは
後足部外反
前足部内反
MT関節過外転
リスフラン関節背屈・回外・中足骨外転位
により内側立てアーチが低下します。
※内側立てアーチ低下=偏平足だから、インソールでアーチを上げておけば大丈夫だと思わないでください。
ST関節はこの時回内位になります。
ST関節の回内は距骨の内旋・底屈踵骨の回内です。
ST関節の回内のROMがあるかどうかは患者さんをベットに仰向けで寝ていただき
距腿関節およびST関節中間位でMT関節を最大回内にさせます。
右足部をみる場合右手の手のひらで踵骨を把持。親指で距骨頭に触れます。
左手は中足部を把持します。
そこから左手の中足部を回内方向に誘導した際右手の親指に距骨頭が押し出してくるようならST関節の回内のROMがあると、とらえていいと思います。
そしてこの距骨下関節の回内のROMがあるということは前足部が内反していると結び付けていいと思います。
※ここでいう前足部内反は前足部底側面が後足部底側面よりも相対的に内反していることを指します。
逆に前足部が内反しているということは荷重位においてST関節が回内代償するということです。
このST関節が過度に回内することによりアーチはつぶれます。
そしてこのときの足部は前足部外転でtoo many toe signで後ろから見るとつま先が外側に向いて見えます。
この時に下腿の後外方傾斜がおこり下腿近位は外旋。大腿遠位は内旋を生み出します。
もう一度上記のアライメントを振り返ると
ST関節(距骨下関節)回内=前足部内反
MT関節外転(歩行時too many toe sign)
下腿外旋位
大腿内旋位
下腿外方傾斜
ここで最初にお話ししたシンスプリントの疼痛を結び付けると
足部が過度に回内することで下腿遠位の皮膚や筋膜は内下方に引っ張られます。
そして下腿が外方に傾斜することにより近位下腿の皮膚や筋膜は外旋方向にけん引。
これらが原因でちょうど下腿1/3のところでお互いの引っ張りが強くなり脛骨の圧縮ストレスや引張ストレスで痛みを誘発すると考えます。
私も治療家になりたてのときはシンスプリントの患者さんが来たときはoveruseが原因だと思い、本当の原因・機能低下やその動的問題点を見極めようとせずに硬くなっているヒラメ筋や後脛骨筋などのマッサージ、市販のアーチアップのインソールを勧めることしかできずにいました。
その時は筋の硬さが落ち痛みは一時的に緩和されたものの、また練習をしたら痛くなるという繰り返しをさせてしまっていました。
しかし今では足部の勉強や歩行の勉強を取り入れシンスプリントになる動的問題点を見出すことができ多くの患者さんの痛みを軽減させることに成功し満足して帰っていただけています。
是非これをみている先生方も足部や歩行の勉強を取り入れていただいて、多くの患者さんを治すことができたら私たちはうれしいです。
宣伝になってしまいますが、上記のシンスプリントの病態や原因は一部分です。
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院長 津ヶ谷 淳 [鍼灸師]