リスフラン関節と偏平足
【リスフラン関節から偏平足をつなげる】
みなさんが想像する偏平足。
こんな足じゃないでしょうか?
この足がどうなっているか、紐解いていきましょう。
①リスフラン関節はどうなっているのか?
リスフラン関節とは、足根中足関節で、
この赤線の関節をいいます。
そして、リスフラン関節の動きを話す時にイメージしてもらうのは
第一中足骨と内側楔状骨の間の関節で、第1リスフラン関節をイメージしてください。
青線の部分です。
では、先ほどの足は内側楔状骨に対して第一中足骨はどうなっていますか?
下の足と比べて、中足骨の傾斜が緩やかなのがわかると思います。
下の足のほうが、急な斜面です。
写真に図を書き込むとこんな感じです。
これをリスフラン関節の背屈(赤矢印↑)と言います。
リスフラン関節は複合運動で動く関節なので、背屈だけをするのではなく背屈と同時に、
『背屈・回外、中足骨外転位』となります。
背屈とは、内側楔状骨と床に対して水平に近づくことです。
<第一リスフラン関節背屈・回外、中足骨外転>
一方アーチがしっかっりある人は、リスフラン関節は底屈となります。
これも複合運動なので、『底屈・回内、中足骨内転位』となります。
<第一リスフラン関節底屈・回内・中足骨内転>
②MT関節(ショパール関節)はどうなっているのか?
では、リスフラン関節の近位関節、MT関節(ショパール関節)はどうでしょう?
赤線がMT関節です。
先ほど話した、リスフラン関節背屈・回外、中足骨外転と連動して、MT関節も外転となります。
MT関節も関節の動きが複合運動なので外転だけじゃなく「外転・回外」のセットになります。
<MT関節外転・回外>
その反対は「内転・回内」です。
<MT関節内転・回内>
ここまでをつなげると、あの偏平足の足は
・リスフラン関節背屈・回外・中足骨外転位
・MT関節(ショパール関節)外転・回外
となります。
この図がわかりやすいかもしれませんね。
(カパンディーから引用)
その反対は
この図がイメージしやすいかと思います。
(臨床足装具学から引用)
この足ですね
・リスフラン関節底屈・回内、中足骨内転位
・MT関節(ショパール関節)内転・回内
③ST関節(距骨下関節)はどうなっているのか?
MT関節(ショパール関節)が外転・回外となると、その近位のST関節(距骨下関節)は
どうなるのでしょうか?
もう一度この図を見ましょう。
できるだけわかりやすく話すので、外転と回外を一度分けます。
上の図はMT関節の外転です。
この時、距骨に対して舟状骨は外転位となっています。
ということは、距骨頭はむき出しの状態と言えます。
言い方を変えれば、舟状骨に対して距骨は内転位(ST関節は内旋と呼ぶ。あくまで回旋を伴うから)となります。
次に、この位置はMT関節の回外でもあります。
イメージしにくいかもしれませんが、距骨に対して舟状骨が回外しているという事です。
内側からみると、距骨頭よりも舟状骨が上にあるということです↓
となると、ST関節は、舟状骨より距骨は内側にあるので距骨内旋、そして舟状骨より底側にあるので底屈となり、それと関節を構成する踵骨は回内方向に倒れます。
全てつなげてみましょう。この足は
・リスフラン関節背屈・回外・中足骨外転位
・MT関節外転・回外
・ST関節回内(距骨内旋・底屈、踵骨回内)
となります。
いかがでしょうか?
ちなみにずっと対象としていたもう一つの足はというと、
距骨に対して、舟状骨が内転位。そのためMT関節内転。
舟状骨に対して距骨は外転位(これをST関節では外旋と呼ぶ)。
そして、MT関節内転は回内のセットだったので、
この回内は内側からみると、距骨より舟状骨が下にあることになります。
距骨は舟状骨より上にあるので、背屈。
これもまとめてみます
・リスフラン関節底屈・回内・中足骨内転位
・MT関節内転・回内
・ST関節回外(距骨外旋・背屈、踵骨回外)
となります。
どうでしょうか?
紐解けましたでしょうか?
これはあくまでも一つのパターンだと思ってください。
厳密には、その方の足をしっかり評価してはじめてわかります。
人によって、パターンから外れるなんてことは多々あります。
でもこのベースを知っておくことはとても大切でもあります。
皆さんの臨床でのお役に立てればと思います。
最後に
もうこの写真の右足、リスフラン関節、MT関節、ST関節どうなっているかわかるんじゃないでしょうか?
より関節ごとに詳しく書いてある記事はこちらです。
くわしく落とし込みたい人はぜひ読んでみてください。
・リスフラン関節の動きを解説
・距骨下関節の基礎から複合運動までを解説
髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
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