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歩行時の足部

リスフラン関節の影響によって起こる扁平足、ハイアーチ

 

 

リスフラン関節の評価をしたことはありますか?

リスフラン関節の影響で、扁平足やハイアーチ傾向になり、足部障害に繋がってしまう場合があります。

今回はリスフラン関節と、各足部の関節がどう影響してくるか、紐解いていきます。

  

まず初めに…

リスフラン関節とは内側、中間、外側楔状骨、立方骨とすべての中足骨との間の関節で

足根中足関節ともいいます。

業界では、足部の内側楔状骨と第一中足骨との間の関節で第1列と言ったりもします。

臨床で扁平足やハイアーチの足を見たとき、リスフラン関節や各関節はどうなっているでしょうか?

臨床で、このような扁平足を見かけるかと思います。

この時、リスフラン関節はどうなっているか?

ここでは、第一リスフラン関節(内側楔状骨と第一中足骨の間)に着目していきます。

ここで見るのは、内側楔状骨と第一中足骨の関係性がどうなっているか、を見ます。

  

上の写真を見ると内側楔状骨と比較して第一中足骨は上方に変位しています。 

なので、これは背屈という動きになります。

また、第一リスフラン関節の運動軸が中間楔状骨を中心に右斜めに走るため、内がえしの動きが入ります。

そのため背屈時、回外も伴います。

 

では、続いてこちら。

こちらのハイアーチ傾向の足。 

この時のリスフラン関節は、どうなっているかと言うと

上の写真を見ると、先ほどと逆の動きになるので

内側楔状骨に対して中足骨が下方に変位しています。

よって、底屈になり

今度は外がえしの運動になるので回内を伴います。

まとめると、  

 

【扁平足(内側縦アーチの低下)

→背屈+回外

【ハイアーチ(内側縦アーチの上昇)

→底屈+回内

となります。

また、リスフラン関節は分類上、平面関節といって可動性は少ないですが、上下、左右そして回旋の動きができる3軸性の関節とも言えます。

なので、

扁平足傾向はアーチがつぶれる方向に行くので、中足骨が空間上、外転します。

※カパンジーより引用

そして、ハイアーチ傾向はアーチが高くなる方向に行くので中足骨が空間上、内転します。

臨床足装具学から引用

なので、ここまでまとめると

リスフラン関節の動きでは

【扁平足】

→背屈+回外+中足骨外転

【ハイアーチ】

→底屈+回内+中足骨内転

この3点セットになります。

この時、横足根関節(MT関節)はどうなっているか?

扁平足は

リスフラン関節の動きは、回外+中足骨外転になるとお伝えしました。

(背屈は一度置いておきます)

この時、MT関節はリスフラン関節と同じく、複合運動をする関節なので

MT関節は回外+外転となります。

その逆の

ハイアーチは

 

リスフラン関節の動きは、回内+内転。

なので、MT関節は回内+内転。

 

まとめると

【扁平足】

リスフラン関節:背屈+回外+中足骨外転

MT関節:回外+外転

【ハイアーチ】 

リスフラン関節:底屈+回内+中足骨内転

MT関節:回内+内転

では、距骨下関節(ST関節)はどうなっているか?

扁平足は

リスフラン関節は背屈+回外+中足骨外転

MT関節は回外+外転でした。

非荷重時、これを絵で見るとこのように親指側が浮いてしまうことになります。

(スペシャリストセミナー「D-5」資料より引用)

重要なのは、荷重時にどうなっているかです。

荷重時、親指側をつけないと歩くことができないため、ST関節を回内させて 

アーチをつぶれさせる動きをします。

このST関節を分解すると、 

距骨の内旋、底屈と踵骨回内です。

先ほどのMT関節が回外+外転とありましたが

舟状骨だけで見ると、MT関節の回外+外転は舟状骨の回外、外転となり、

その隣の距骨頭は底側にすべり、そして相対的に内転(内旋)します。

そして距骨と関節を構成している踵骨は回内方向に倒れていくというわけです。

では逆のハイアーチタイプはというと

リスフラン関節は底屈+回内+中足骨内転

MT関節は回内+内転

非荷重では小指側が上がっている状態なので

荷重時、小指側をつけようとST関節を回外代償させてアーチを高くする方向に働きます。

  

先程と逆で距骨の外旋、背屈と踵骨回外です。

  

ここで全部をひっくるめると

【扁平足】

リスフラン関節:背屈+回外+中足骨外転

MT関節:回外+外転

ST関節:回内

※補足

MP関節:屈曲(または中間位)

(パターンによってはMP関節が伸展する場合もありますが、ここでは一般的なパターンでお伝えします)

 

なので、リスフランの背屈可動域が大きいほど、回内足になりやすく、横アーチも低くなりやすいので

歩行時、足底腱膜が伸び切ってウインドラス機構が働かないまま歩くとなると、

足底腱膜炎などに繋がりそう、などと予測できそうですね。

【ハイアーチ】

リスフラン関節:底屈+回内+中足骨内転

MT関節:回内+内転

ST関節:回外

※補足

MP関節:伸展

リスフラン関節の底屈タイプでMP関節が伸展するというのがありますが、

通常であれば中足骨に対して基節骨が背屈していくのですが、

リスフラン底屈タイプの足だと基節骨に対して中足骨頭が下に下がっていく、またはお辞儀していくように動いていきます。

このタイプは足底腱膜が短縮して長さが短くなっている状態なので、

歩行時ヒールオフ(踵離地)時に足部が回外しやすく、アーチが縮むような動きになるので

踵が速く上がりやすくなるタイプでもあります。

なので、腓腹筋などが張りやすい人はこう言った理由もあるかも知れませんね。

なのでリスフラン底屈タイプか迷った場合は、ここを見ていただくといいかもしれません。

今回、扁平足やハイアーチが、細かくリスフラン関節まで見た時どのように動くかお伝えしました。

今の知識+αで持っておく事で、今後、扁平足とハイアーチがあって痛みがある方に、より深く見る事が出来るのではないでしょうか。

 

 

 

 

仲 早詠子 【柔道整復師】

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