内側縦アーチについて
【アーチが落ちていれば、アーチを上げるのか?】
内側縦アーチ。
骨でいうと、踵骨・距骨・舟状骨・楔状骨・第1中足骨で構成します。
みなさん、内側縦アーチってあった方が良いですよね?
今日はこのアーチについて、僕たちの考えをお話ししたいと思います。
内側縦アーチ、たしかに大切ですよね。
トラス機構。ウィンドラス機構。
こちらでも詳しく解説しています↓
建築物に使われる、トラス機構(トラス構造)。
三角形の形により、強度を強く保つと言われる構造。
あの、東京スカイツリーもトラス構造の連続。
自転車のフレームもそう。橋もそうです。
この内側縦アーチ、舟状骨や距骨を頂点として、踵と母指球、
そして足底腱膜によって三角形が構成されています。
<トラス機構>
荷重が距骨を介して足底に伝わり、足底腱膜が伸張ストレスを受けるが、
それを戻そうとする反力が働く。
そんな感じです。
では、内側縦アーチってよくいう「つぶれる」「アーチの低下」「偏平足」になると、
一体何が問題なのでしょうか?
考えていきましょう。
本来歩行周期でIC~LRの際は内側縦アーチは高さを保っている状態、言い換えるとST回外です。
そこから、荷重が片足に乗ってくるときに、内側縦アーチは重りが乗るわけですから低くなります。
これを言い換えると、ST回内です。
そして、最後蹴り出す時は再び内側縦アーチは高い状態となるわけです。
言い換えるとST回外。
では、このトラス機構が破綻するほどのアーチの低下があるとしましょう。
すべての骨がまっすぐになっている状態です。
この場合はさすがに、このトラス機構は使えません。
なので、荷重に対してのこのトラス機構での反力はもらう事ができません。
そうなると、本来のスムーズな歩行というのは、獲得しにくい状態となるわけです。
ようはこのトラス機構を使ってのいわゆる「バネ」は移動をスムーズにしてくれる大きな要因の一つです。
では、この場合内側縦アーチに高さをつくることは必要か?と問われたら、答えはイエスとなるわけです。
テーピングや、インソールで高さを作り出すことは対処方法としてはいいという事です。
ここで問いたいのは、すべてがそうではないので注意したいという事です。
もしかしたら僕たちは内側縦アーチというイメージが大まかになっているかもしれないという事です。
内側縦アーチ、最初にもお伝えしました。
踵骨・距骨・舟状骨・楔状骨・第1中足骨で構成されています。
そのため、このすべてを一つの塊としてみている方が多いのかもしれません。
たしかに建物のような構造は、柱と柱と柱でトラス構造を組み立てます。
その場合、一つの三角形をイメージすればいいでしょう。
しかし人を考えてみてください。
人はさんざんお伝えしているように、5つの骨と足底腱膜で構成しています。
3つの柱ではないのです。
頭で描いているイメージがもし一つだとすると、この問いはいつまでたっても答えに行きつきません。
具体的には、ぱっと見て内側縦アーチが低下している、つぶれている、扁平化していると見ても、
実は、扁平方向にいっているのは、第1中足骨と内側楔状骨だけかもしれません。
距舟関節やST関節では実は低下の方向へ向かっていないかもしれません。
低下していないという事は、アーチを単純に上げようとするとつぶれてもいないものを、さらにつぶれない方向へ行かせるわけですから、これはどんどん外側に荷重を持っていくことになるわけです。
内反捻挫をさせようとしているのと同じなわけです。
それにより、ずっと治らない痛みも出現する可能性があります。
その代表例が足底腱膜炎や足部の疲労骨折、変形性膝関節症かもしれません。
パット見て、内側縦アーチが全体的につぶれている。よし、内側を何かでサポートしよう!
を終わりにする時代が来ました。
どことどこがどうなっていて、だからここはこうしよう。
こっちは、そんなに可動域が無いから、ここは反対にアーチが低くなるほうへもっていこう。
こんな会話になる時代が来ました。
内側縦アーチ。
パット見て、全体的に内側をサポートしようではなくて、
リスフラン関節・楔舟関節・距舟関節・距骨下関節それぞれでどうなっているのか、
より細かく評価するように見直す時代が来たと思います。
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髙木慎一(たかぎしんいち)【柔道整復師】
Athlete Village浜松代表
アライメント・姿勢・歩行動作を総合的に分析し、その方に必要な
クライアントはパフォーマンスを上げたい小学2年生から、膝の痛