距骨下関節の動きの基礎
【距骨下関節の基礎】
ここでは距骨下関節の基礎として、
荷重位と非荷重位の距骨下関節の動きについてのお話をしたいと思います。
ご存知の先生は「まあ、復習程度に」と捉えていただければ幸いです。
■非荷重と荷重では動き方が異なる
距骨下関節は荷重位と非荷重位では動き方が変わります。
まずは、非荷重からいきましょう。
非荷重の際、距骨は下腿の延長として機能します。
非荷重では、距骨は大きく動かず、踵骨が距骨の下で動くというイメージです。
非荷重での距骨下関節の回内は、
踵骨の背屈・外転・回内になり、
これはいわゆる「外返し」の状態になります。
反対に回外は、
踵骨の底屈・内転・回外になり、
これはいわゆる「内返し」の状態になります。
次は荷重位での回内と回外です。
荷重位では、踵骨は前額面上でのみ動き(つまり回内・回外)、
距骨は矢状面と水平面で動きます(つまり底屈・背屈/内旋・外旋)。
荷重位での距骨下関節の回内は、
踵骨の回内、距骨の底屈・内旋になります。
反対に回外は、
踵骨の回外、距骨の背屈・外旋になります。
このように距骨下関節は、荷重位と非荷重位では変化しますので注意が必要です。
■下腿も荷重時連動して動く
ここで、もう一つのポイントに触れておきます。
それは、
距骨下関節の動きに伴い下腿が回旋するという「距骨下関節と下腿の運動連鎖」についてです。
荷重位では、距骨の回旋(外旋・内旋)によって脛骨の回旋が伴います。
距骨下関節の回内・回外に伴い、
それぞれ距骨下関節の回内時は下腿が内旋し、回外時には下腿が外旋します。
これは、下から影響を受ける「上行性運動連鎖」ですが、
反対に下腿の回旋から距骨が回旋(内旋・外旋)する「下行性運動連鎖」の場合があることも覚えておいてください。
■まとめ
『非荷重の距骨下関節』
回内:踵骨の背屈・外転・回内=「外返し」
回外:踵骨の底屈・内転・回外=「内返し」
『荷重位の距骨下関節』
回内:踵骨の回内、距骨の底屈・内旋 ― 下腿の内旋
回外:踵骨の回外、距骨の背屈・外旋 ― 下腿の外旋
左図:距骨下関節回内と下腿の内旋
右図:距骨下関節回外と下腿の外旋
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